きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

33期生卒業式

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2月7日、JRA競馬学校騎手課程33期生の卒業式。会場では、さまざまな顔に出逢うことができました。
「一人の勝者の陰には、たくさんの敗者がいます」と勝負の厳しさを説き、しかし、見習騎手の負担軽減を3年から5年に延長したことに加え、中央、地方の見習騎手各6名によるヤングジョッキシリーズを開催することで、卒業生5人の前に確かな光を灯したのは、中央競馬を統べる後藤正幸理事長です。

「30年前、僕も卒業生としてこの場に立っていました」と話し始めた日本騎手クラブ会長の武豊騎手は「当時、抱いていた夢、想いは、今もしっかりとこの胸に残っています」と5人に対していまのその気持を忘れずにして欲しいと語りかけ、「これからはともに戦う仲間であり、みなさんと一緒にレースができることを楽しみにしています」とエールを贈りました。

時には厳しく、時には温かく見守る立場でもある調教師の代表として演壇に立った調教師会会長の橋田満先生は、“ハングリー精神”とは何かを問いかけ、ご自身の失敗談を交えながら、現状に満足せず、過去にとらわれず、努力を重ねて欲しいと話し、亀井慎一校長は、卒業生全員がノーペナルティだったことに胸を張り、「技量面においても、甲乙つけがたいほどそのレベルは高い」と、無事5人を送り出せたことへの安心感と、これからの期待感で、その顔には笑みが広がっていました。

その中で、際立っていたのが、馬主を代表して挨拶に立った西川賢会長の言葉です。
「敗けることのほうが多いのが競馬です。悔しいこともたくさんあると思います。しかし、そのひとつひとつを糧として頑張ってください」と励ましの言葉を贈り、最後に「われわれ馬主が願っているのは、たとえ敗けたとしても、頑張ってくれて有難うと思えるような騎乗をしてくれることです」と結びました。

川又 賢治
木幡 育也
富田 暁
武藤 雅
横山 武史

大きな一歩を踏み出した5人に、幸多かれと祈ります。

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