きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

南半球のG1カーニバル

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ドバイワールドC、ケンタッキーダービーなど海外ビッグレースを巡って、日本馬の動向も何かと慌ただしい昨今ですが、今週は4月上旬にオーストラリアで開催されるザチャンピオンシップスの登録馬が発表されています。南半球の向こうは日本とは季節が逆になりますから、春のメルボルンCシリーズと対極をなす秋の大一番ということになります。1200mから3200mまで5つのG1レースに、14頭延べで28頭が予備登録を済ませました。もっとも昨年暮れの香港ヴァーズでキングジョージとBCターフを勝ち凱旋門賞2着の大実力馬ハイランドリールを破る大金星で世界中を仰天させたサトノクラウンなんかには既に招待状が届いているようですが。クラウンはにっていが重なるドバイからもオファーを寄せられており、ほぼ同時期に今年G1昇格した大阪杯という選択肢もありますから三択になります。

3週間に渡る最初に行われるのはドバイワールドCデーと同日3月25日のザBMWという2400mのG1レース。一昨年にトゥザワールドが2着に頑張ったレースですね。厳密にいうとザチャンピオンシップスには含まれないのですが、流れの中で一つに括られています。優勝馬にはザチャンピオンシップスのメインを張るクイーンエリザベスS2000mとシドニーC3200mの優先出走権が与えられ、トライアルの役割も担っています。日程的には連闘と中1週で本番ですから、日本の常識では考えにくいのですが、向こうは連闘どころか中2日とか中3日でG1にチャレンジするケースも珍しくありません。郷に入れば郷に従え、本当に挑戦する日本馬が現れれば、それはそれで興味深いのですが。

興味深いと言えば、ザチャンピオンシップスには世界的評価の高いこれらのG1レースだけではなく、オーストラリアンダービーやオークスも番組に組み込まれており、地元のファンには本当に堪えられない趣向が盛り込まれています。G1は分散して行った方が馬券売上に貢献できるという経営哲学(?)も理解できるのですが、競馬場に来てくれるファンを増やすという意味では、こうしたG1カーニバル的な催しが見直されても良いような気もしています。明日はザチャンピオンシップス各レースをざっと概観してみたいと思います。

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