きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2017.2.2

ペガサスモデルの飛翔

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新怪物アロゲートが天下布武を宣言し、昨年の北米チャンピオンに輝いた帝王カリフォルニアクロームが馬群に沈むという盟主交代期にはありがちな残酷劇を演じた先週のペガサスワールドCでしたが、ビジネス的に考えれば成功したと言って良いんじゃないでしょうか?まだ馬券売上やメディア権料など全体の収支が明らかにされていない段階ですが、注目度の高さや世界を興奮と感動の海に巻き込んだブランディング効果などを含めて見れば、このチャレンジは競馬にとって大きな価値を生んだと言えそうです。

ご承知のように、1頭100万ドルと目の玉の飛び出るような出走権料が今回のペガサスモデルのパワーの源泉になっています。フルゲート12頭分合計の1200万ドルはそのまま賞金にスライドされ、1着700万ドルという世界最高償金額が実現しました。その昔、王侯貴族たちが賭け金を出し合って勝ち馬が総取りにするステークスの伝統に則ったものです。馬主が中心になって、いわばJRAの役割も果たしていた古き良き時代の残り香が漂います。それにしても100万ドルは大金すぎて、どこかにマネーゲームの危険な焦げ臭さを感じてしまうのはギャンブル文化の伝統がない日本人の国民性でしょうか?

ともあれペガサスモデルは世界の競馬サークルに浸透して気配を見せています。オーストラリアではこのモデルをそっくり踏襲して、フルゲート12頭の出走権1枠60万豪ドル≒5100万円、総賞金1000万豪ドル≒8億5000万円のザエベレスト〈ランドウィック1200m〉を創設するそうです。芝レースとしては世界最高の凱旋門賞の総賞金500万ユーロ≒6億1000万円を大きく上回ることになります。開催日は凱旋門賞の翌週となる毎年10月の第2土曜日とされています。その翌週にはアスコットで中距離2000mのチャンピオンS、マイル頂上戦のクイーンエリザベス2世Sが行われ、中1週でマラソンレースの最高峰メルボルンC3200m、ダートの祭典ブリーダーズGも待っていますから、ほとんどすべてのカテゴリーのチャンピオン誕生の瞬間を楽しめる豊穣の秋になりそうです。JRAも何か手を打たないと、有力馬の海外流出が止まらなくなってしまうかも?