きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

馬、人…すべてに、感謝の気持ちを込めて

ようこそいらっしゃいませ。

1995年1月17日に発災した阪神・淡路大震災から22年。今でもあの時の光景を思い出します。
高層道路が倒壊し、ビルが崩れ落ち、地上には瓦礫の山、山、山……。街中にサイレンが鳴り響き、火柱がたちのぼっている一一体何が起こったんだろう!? これは本当に現実のことなんだろうか? 多くの人が、目の前で起きていることが信じられず、茫然自失となってしまいました。

阪神競馬場が受けた被害も甚大でした。
パドックの屋根が大きく傾き、入場門からパドックへと続く歩道橋は倒壊。芝、ダートコースは大きくひび割れ、競馬場としての機能は完全に喪われてしまいました。
とても競馬どころではない一一だれもがそう思ったはずです。
しかし、たかが競馬、されど競馬です。
唯一、無事に残った厩舎地区を周辺地域で被災された方のために避難所として使用。そこで命を繋いだという方もたくさんいらっしゃいました。京都競馬場での代替開催となった「宝塚記念」が復興支援競走として行われ、売上の一部が義援金として寄付されたことも、11か月後の12月2日に再開されたときのあの感動も、忘れてはいけないことのひとつです。

大相撲では、あの日、淡路島で生まれた“運命の子”新十両の照強関が、「風化させてはいけない」と土俵上で奮闘しています。日時こそ違いますが、JRAの所属騎手の中にも、あの年、この世に生を受けた騎手が5人います。
石川裕紀人騎手。小崎綾也騎手。木幡初也騎手。松若風馬騎手。義英真騎手。
大袈裟かもしれませんが、5人の活躍が記憶の風化に歯止めをかけることにも繋がるような気がします。

競馬に携わるすべての人が、心をひとつにして乗り越えてきたから今がある。
馬に、人に、すべての方に深謝です!

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