きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

G1馬の原石を探せ

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日曜は中山競馬場で京成杯、京都競馬場で日経新春杯が行われます。京成杯は皐月賞と同じ舞台で競われる3歳重賞レースで、日経新春杯はハンデ戦で競われる古馬重賞レースです。京成杯といえば、2004年のレースを思い出します。この年にレースで1番人気を背負ったのがキングカメハメハでした。キングカメハメハは2歳新馬戦にエリカ賞と連勝で京成杯に挑んできました。ただいずれも勝ち方が派手ではなく、朝日杯フューチュリティステークス4着のフォーカルポイントと人気を二分します。この年は朝日杯フューチュリティステークスを勝ったコスモサンビームに2着メイショウボーラーともにマイル向きであったことから主役が定まりきらず、また地方所属のコスモバルクに話題が集まる状況で春を迎えた年でした。そんな中でその後NHKマイルカップ、ダービーと変則二冠馬となったキングカメハメハは、まだこのときは自身の能力をまだコントロールできずにいる存在でした。

レースはキングカメハメハと同じようなポジション取りで進めたフォーカルポイントに凱歌があがり、キングカメハメハは2着マイネルマクロスから3馬身半離れての3着でした。結局このレースでの敗北がキングカメハメハ現役時代唯一の敗北となります。同じ年に4着に入ったスズカマンボにしろ、2009年のレースで2着だったナカヤマフェスタにしろ、2008年のエリザベス女王杯馬リトルアマポーラにしろ、いずれも京成杯を取りこぼしています。優勝馬でG1タイトルを手にしたのは近年ではエイシンフラッシュくらいです。それはまるで敗れた馬が並ぶ中山2000mの地層から金を掘り当てるよう。優勝馬を探すより、埋もれているG1馬の原石を探すのがこの京成杯の楽しみのひとつでもあります。

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