きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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昨年の凱旋門賞を3歳牝馬ながら圧巻の走りで優勝した女王トレヴがフランスのロンシャン競馬場で行われるガネー賞からシーズンをスタートするようです。当初のトレヴに対する評価はあまり高くなく、ディアヌ賞をレコードで優勝した後にカタール王族のシェイク・ジョアン殿下にトレードされ、10万ユーロの追加登録料を支払って凱旋門賞に出走したのは有名な話です。ちなみに1歳時の評価額は2万2000ユーロ(約244万円)で、買い手がつかず、主取りになるほどでした。

その彼女がディアヌ賞優勝をきっかけにヴェルメイユ賞、そして凱旋門賞を制する道程は、さながらシンデレラストーリーのようですね。

トレヴの父モティヴェーターは凱旋門賞馬モンジューの初年度産駒で、エプソムダービーを制し、BHB賞年度代表馬を受賞した活躍馬です。父系には父モンジューをはじめ、サドラーズウェルズやノーザンダンサー、母系にはゴーンウェストやミスタープロスペクターなど父母両系統ともに偉大なる血脈が見られます。

今年は更に飛躍を狙い、彼女自身初となる海外遠征に挑むようです。地元ロンシャンのガネー賞で始動した後、英国ロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズSに参戦し、海外G1初制覇に挑戦です。

プリンスオブウェールズSはイギリス王室主催の伝統ある競走で1862年に第1回が施行されて以来、150年余りの歴史があります。秋には昨年同様、ヴェルメイユ賞を経て凱旋門賞へ向かうローテーションのようで、今年も女王の地位を確固たるものにするため、まずは地元開催のガネー賞を突破する必要がありますね。

3歳で世界を制したトレヴは、今年も我々を魅了する走りをみせてくれるのでしょうか。

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