きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

それぞれの想い

ようこそいらっしゃいませ。

昨日はドバイの話題をお伝えしましたが、そのドバイミーティング当日にオーストラリアで行われるG1ザBMWにアドマイヤデウスが出走の構えを見せています。前走の有馬記念後に梅田智之厩舎に移籍、梅田調教師と馬主の近藤利一さんは、一昨年にアドマイヤラクティが走ったオーストラリアG1コーフィールドCで表彰台の真ん中に登ったコンビです。ラクティは堂々1番人気に支持された次走メルボルンCのレース直後に倒れ、可哀想に異国の地で客死した悲劇のヒーローでした。

ラクティの悲劇にオーストラリアの人々は嘆き悲しみ深い哀悼を捧げてくれたと聞きます。デウスの遠征は異国の畏友たちへの答礼の旅なのでしょうか?それなら突然の移籍に込められた重い意味も理解できます。梅田調教師とともに行くことに意味があるとお考えになったのでしょう。アドマイヤデウスは、父アドマイヤドン、母ロイヤルカード、祖母アドマイヤラピスと生っ粋のアドマイヤ血統。これ以上答礼の旅にふさわしい使者もいないでしょう。オーストラリアの人々も心から歓迎してくれることでしょう。血なまぐさい殴り込みというようなことではなく、友情の絆と互いへの敬意に充ちた遠征は心安らぐ気持ちになります。

ザBMWは一昨年に遠征したトゥザワールドが2着に奮闘したレースです。勝ったハートネルは昨年のメルボルンCで1番人気に推され3着したオーストラリアを代表する実力馬で、これを物差しにすれば当地でも格の高いG1レースであることが分かります。勝つのは簡単ではないでしょうが、向こうのファンを感動させるようなレースをしてくれたら嬉しいですね。

×