きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

競馬の神様

ようこそ、いらっしゃいませ。

12月30日――今日は証券取引所の大納会であり、上野-浅草間に日本初の地下鉄(現・東京メトロ銀座線)が開通(1927年)した“地下鉄記念日”。そして、大竹正博調教師、小島太一騎手の誕生日でもあります。

大竹正博調教師の父は、弱気なコメントをすることから“泣きの昭ちゃん”と呼ばれファンからも親しまれた大崎昭一元騎手。小島太一騎手の父は小島太調教師。大崎氏は、ダイシンボルガード(1969年)とカツトップエース(1981年)。小島太調教師も、サクラショウリ(1978年)とサクラチヨノオー(1988年)で、それぞれ2度、日本ダービーを制した、個性豊かな名ジョッキーでした。
この2人をしてあと一歩手の届かなかったのが、全国年間最多勝利騎手……リーディングジョッキーの座です。

今年、最期までこのリーディングを争ったのは……3年連続の記録に挑んだ戸崎圭太騎手と、クリストフ・ルメール騎手の2人。
「目の前のレースをひとつひとつ、大事に乗りたい」(戸崎騎手)
「トサキさんが勝てば、僕も頑張る。僕が勝てばトサキさんが頑張る。すごくいい刺激になっています。どっちが勝つか!? それは競馬の神様に訊いてください」(ルメール騎手)。

最終日、12月25日まで熾烈な争いが繰り広げられたレースを制したのは――戸崎圭太騎手。制裁点ゼロでのリーディングは史上初の快挙です。
戸崎圭太騎手、おめでとうございます!

わずか1勝差でリーディンを逃したルメール騎手ですが、真摯に馬と向き合い、どんなときでもベストを尽くすその姿勢に、競馬の神様も、最後の最後に、素敵なプレゼントをしてくれました。
サトノダイヤモンドとのコンビによる有馬記念制覇――。
歓喜の涙に酔いしれたその勝利は自ら世界の扉をこじ開ける、2016年、感動のフィーナーレでした。

2017年は、いったいどんな年になるのか。
いまから、胸が高鳴ります。

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