きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ストーブリーグ

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ヨーロッパでは平地シーズンはほぼ終了し、平地レースにヒケをとらない人気を誇る障害シーズンが始まっています。アメリカにはシーズンオフという概念がなく、日本同様に大晦日も正月も関係なく競馬が行われているのですが、やはり最大の山場であるブリーダーズCシリーズが終わると、ホッと一息のブレイクタイムという感じは否めません。この季節になると、年明けにはデビュー年齢に達する1歳馬、現役馬、さらに繁殖牝馬などのセールが盛んに行われ、ファンもストーブリーグの話題で盛り上がり、種牡馬の来春の種付け料が果たしていくらに設定されるかも注目を集めたりします。

日本では年が明けてから発表されるのが例年ですが、向こうではこの季節の風物詩としてファンの関心を集めています。先ごろイギリスの名門牧場バンステッドマナースタッドから来年の種付け料が発表されました。あのフランケルを繋養する牧場です。初年度産駒が驚異的な勝ち上がり率をマーク、重賞も4勝して評判は高まる一方ですが、結局この怪物は12万5000ポンドと据え置かれました。日本円で1700万円ほどです。高いか安いかと言えば、これでも十分な評価だとは思うのですが、オーナーのカリド・アブデューラ殿下にとってみれば、まだこんなもんじゃない!フランケルが真価を発揮するのはこれから、という秘めた自信があるからこそ控え目に据え置いたということでしょうか。

現在までに日本を含めて世界で30数頭の産駒がデビューしていますが、クラシックに向けてジックリ鍛えられている素質馬も数多く、1歳馬の中には日本デビュー予定組の凱旋門賞馬デインドリームの牡駒、あのウオッカの仔も満を持しています。フランスではザルカヴァの牝駒が注目の的ですね。来年の種付けでは、日本からヴィクトリアマイル連覇のストレイトガールが渡英して、フランケルとの交配にエントリーしています。フランケルフィーバーは、まだ始まったばかりということでしょうか?

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