きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

胸ワクワクのBCデー

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世界のスターホースが打ち揃って、いよいよ競馬の祭典ブリーダーズカップデーの幕が開きます。ワクワクさせられますね。ダートの最高峰に君臨するBCクラシックにも登録されて去就が注目されていた凱旋門賞馬ファウンドは、結局芝のBCターフを選択し、昨年に続き連覇にチャレンジすることになりました。クラシックには、今や帝王の境地と言って良いほど強く安定したカルフォルニアクローム、Gレース初挑戦のG1トラヴァーズSでいきなり13馬身半ちぎって見せた驚異の上がり馬アロゲートと役者が揃いましたから、常人を遥かに超える勝利への執念を燃やすオブライエン調教師にしてみれば、このチョイスは当然なのでしょう。

それにしても今BCデーにおけるクールモア=オブライエン軍団の攻勢ぶりには凄まじいものがあります。クラシックこそスルーしましたが、ターフはファウンド、ハイランドリールの凱旋門賞ワントゥーコンビ、BCマイルは今季G1を3勝しているアリススプリングス、日本のヌーヴォレコルトが出走するBCフィリー&メアターフにはアイルランドとヨークシャーのダブルオークス馬セブンスへヴァンといずれもガリレオ産駒の強力ラインナップで臨みます。ガリレオは今季既にG1を23勝と破天荒な快進撃を続けています。実績のある2歳芝G1にも有力馬を送り込んで来ました。今のところ芝レース限定のイメージが強いのですが、今春からクールモアのアシュフォードスタッドにはアメリカ三冠馬アメリカンファラオが繋養されており、いずれはダート競馬にも偉大な帝国の版図を拡大してくるのでしょう。

さて、日本でも馬券が発売されるヌーヴォレコルトのBCフィリー&メアターフに話題を移すと、人気は最重要ステップレースのG1フラワーボウルSを勝ったレディイーライが中心です。デビュー以来、8戦7勝2着1回とまだ底らしい底を見せていません。前述オブライエン厩舎のセブンスヘブンが2番人気で追い、オッズ的にはどうやら一騎打ちという形になっています。サー・マイケル・スタウト調教師が鞍上にフランキー・デットーリを配したクイーンズトラストで一角崩しに挑み、武豊騎手のヌーヴォレコルトは大外枠も微妙に影響してか5番人気に止まっています。海外遠征には無双の強さを発揮するハーツクライ一族の底力に一発長打を期待したいものです。明日はそのあたりの視点から推理を進めたいと思います。

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