きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ガリレオVSその他【前】

ようこそいらっしゃいませ。

ヨーロッパ競馬も終盤を迎え、ビッグイベントは今週末のブリティッシュチャンピオンズデーを残すのみとなりました。今年のヨーロッパ血統地図に色付けしてみると、凱旋門賞ワントゥースリーフィニッシュに象徴されるように半分はガリレオ色で染まり、残る半分がその他の種牡馬の極彩色で彩られる、そんなイメージです。言葉は悪いですが、ガリレオVSその他大勢、そうした構図になっています。リーディングサイヤーは突き抜けたトップを占め、獲得賞金で2位のドバウィにダブルスコアどころか3倍以上の大差を付けています。7年連続8度目のチャンピオンの座は確実です。2歳リーディングでも早い時期から始動する産駒は多くないのに、目下3位と良く走り、大レースに強いこともあって獲得賞金では2位のウォーフロントより倍近く稼いでいます。母の父、ブルードメアサイヤーランキングでも年々肌馬の増加とともに勢いを増し現在3位。ガリレオ産駒の大活躍でそのお相手の母父デインヒル、デインヒルダンサー、ピヴォタルなどが上位を占めているのは皮肉です。すべての分野を制し、ニューアプローチ、フランケルといった優秀な後継種牡馬も続出していますから、ガリレオ帝国は当分は揺るぎそうにもありません。

大レースに強いのがガリレオの真骨頂で、フランケルやナサニエルが現役だった11年には、年間19勝とG1勝利の金字塔を打ち立てていますが、今年は既に21勝と自己最多を更新して、2位カーリンの7勝をまったく寄せ付けない独走ぶり。近年のG1獲得賞金王は、賞金の高い日本のディープインパクトの指定席でしたが、現時点でディープを約300万ポンド≒3億8000万円弱も突き離しています。ディープの主戦場である日本はこれから本格的なG1シーズンに向かうので大逆転も可能でしょうが、エリザベス女王杯やマイルチャンピオンシップにはエイダイ・オブライエン厩舎のガリレオ産駒が大挙登録しており、本当に出てくるようなら両雄対決は今秋最大の見ものとなります。

さて世界血統地図の半分以上を自分色で塗り尽くしたガリレオですが、残るブリティッシュチャンピオンズデーでは1日に4つの頂上G1戦が行われます。さすがにスプリント部門は出番がありませんが、マイルのクイーンエリザベス2世S、牝馬限定2400mのチャンピオンズフィリー&メアS、そしてクライマックスの2000mチャンピオンSにはオブライエン厩舎の精鋭ガリレオ軍団がスタンバイしています。ここでもガリレオVSその他という構図は動かないようです。どこまでG1勝利記録を伸ばすのか?明日はその辺りをウオッチしてみます。

×