きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先の日曜、シャンティイ競馬場で仏オークスが行われました。ご存じのように昨年のトレヴ、6年前のザルカヴァはここをジャンピングボードに凱旋門賞を制圧しています。遡れば79年のデトロア、82年のアキーダなど3歳牝馬による凱旋門賞制覇はこのレースを抜きにして語れません。

今年の仏オークス馬に輝いたのはアヴェニールセルタン。仏1000ギニーに続くクラシック連覇で文句のない第一人者です。タイムも昨年のトレヴに次ぐ史上2位と文句のないものでした。イギリスに遠征して英1000ギニーで地元勢を一蹴したミスフランスを破ったのも評価が上積みされるでしょうね。デビュー以来5戦5勝と底を見せていない魅力は大きいです。父は仏ダービー馬のルアーヴル、マイラーのノヴェールからラーイへと遡る血統で2000mまでが守備範囲かなの印象です。母父マークオブエスティームもマイラー色が強い馬ですから、牡馬相手のロンシャンの2400mは微妙な気もしますね。でもヨーロッパのホースマンはスピード血脈を取り込みつつ2400mを保たせてしまうマジックに長けていますから、出走してくるなら侮れない強敵になりそうです。

とは言え、今年の凱旋門賞の輪郭はまだよく見えてきません。今日開幕するロイヤルアスコット、第2日の明日組まれているプリンスオブウェールズSが大きなターニングポイントです。前走で生まれて初めての黒星を喫した女王トレヴが負けたら凱旋門賞は諦めると不退転の決意で臨みます。ライバルのシリュスデゼーグルが回避したのは残念ですが、昨秋のロンシャンの驚異的な末脚を取り戻してほしいですね。

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