きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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またもやトリプルクラウンホースは幻と消えました。カリフォルニアクロームが36年ぶりの三冠達成する確率は相当に高いんだろうなと思っていましたが、あろうことか格下馬に競り潰される格好で4着に沈みました。米三冠レースの難しさは何度も書いてきましたが、5週間に3つのレースを行う過酷なローテーションに加えて、出走馬のレベル差がどんどん縮まり紙一重になっているのも、36年前以前と比べて、より難しくなっている原因でしょう。

ところで興行面ではトリプルクラウンショーは大成功で、当日のベルモントパーク競馬場の売上は史上最高を記録し、入場者数も史上三番目の大入りだったそうです。ニューヨークという全米最大規模のマーケットを抱える強みをしっかり発揮したというところでしょうか。

しかしどうなんでしょう? 36年間、来るぞ来るぞの狼少年。アメリカのファンは好い加減飽きてこないのでしょうか?競馬自体というより『マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム』『ニューヨーク・ニューヨーク』を家族や友人たちと合唱し親愛の絆を繋ぎ合うことに喜びを感じているのでしょうか。人々のライフスタイルにすっかり溶け込んでいる風景はそれはそれで大変に素晴らしいことだと羨ましく思います。

三冠レースショーがビジネスになることは証明されました。しかし本当に強くて早いチャンピオンホースが登場してこそアメリカ競馬は真の盛り上がりを見せるのだと思います。生産者さん、馬主さん、調教師さん、来年こそトリプルクラウンホースを降臨させてください。

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