きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

フランケルの挑戦

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シーズン終幕に差しかかったヨーロッパ競馬、いずれにせよ時間の問題なんでしょうが、いつフランケル産駒がG1制覇を成し遂げるか?これが話題のひとつです。
ここまで英愛仏ヨーロッパ圏の2歳G1はアイルランドで3レース、フランスで1レースが行われ、今週末からイギリスで4レース、フランスで3レースが残されているという状況です。この季節にはアメリカのウェスリー・ワード調教師がロイヤルアスコットを皮切りにヨーロッパの2歳戦線を席巻するのが毎年の話題ですが、今年もワード師ご執心のスキャットダディ産駒レディオーレリアで暴れまくっています。ここまで仏ドーヴィルのG1モルニ賞を含めて3戦3勝、今週末に行われるニューマーケットのG1チェヴァリーパークSでは1倍台の圧倒的な人気を集めているようです。

このヤンキー娘を迎え撃つ形になったのが、フランケル産駒のクイーンカインドリーです。前走でG2ロウザーSを勝ち4戦3勝として、シャンティイのG3オマール賞を勝って3戦不敗のフランス調教馬トゥリファウトと並んでフランケルの出世頭となっています。ロウザーSの競馬ぶりは先行してゴール前でもう一度伸びる力強い内容で、レディオーレリアは非常に完成された優秀な馬ですが、父譲りの勝負根性でアッと言わせてくれないでしょうか?トゥリファウトは順調なら凱旋門賞当日のマルセルブサック賞1600mでしょうか。今季絶好調のジャン・クロード・ルジェ厩舎の管理馬で、凱旋門賞ではマカヒキの強敵となる厩舎の先輩アルマンゾルやラクレソニエールとともにシャンティイに乗り込みます。ルジェ軍団が凱旋門賞ウィークエンドの台風の目になるかもしれませんね?

フランケルの最後にして最強の切り札はフェアエヴァでしょうか?アスコットのG3プリンセスマーガレットSでフランケルに世界で一番最初の重賞メダルをプレゼントした馬です。一瞬で4馬身半突き抜けたアスコットの内容が素晴らしく、この仔が現在までのフランケル最強馬と評価する専門家が多いようです。ロウザーSは出遅れて、それでも良い脚で追い込んだのですがクイーンカインドリーのゴール前の頑張りに3着まででしたが、負けて強しの印象でした。チェヴァリーパークSから中1週のG1フィリーズマイルが標的ですが、距離延びるのは大歓迎でしょうから、末脚がどんなに切れるか楽しみです。数少ないデビュー馬から、最高ステージのG1戦線にこれだけのラインナップを送り込んでくるフランケルというサラブレッドの底知れない怪物ぶりに改めて驚嘆させられます。

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