きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

皐月賞馬の貫禄

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日曜中山競馬場ではセントライト記念が行われました。皐月賞馬ディーマジェスティが出走。単勝1.4倍の圧倒的を支持を集め、王者の秋緒戦に注目が集まりました。
レースは6番のキークラッカーが逃げて、2番手にケンホファヴァルトが追走。2番人気単勝6.8倍の7月のラジオNIKKEI賞勝ち馬ゼーヴィントが4番手につけ、3番人気のプロディガルサンが後方から4番手、ディーマジェスティはスタートで不利を受けて後方からといった形でのレースとなりました。その後方にいたディーマジェスティは向こう正面でマウントロブソンの後ろに位置取り、残り800mを切ったところから徐々に進出。4コーナーでは外から先頭射程圏内に入り、坂を駆け上がったところで先頭に立ちそのまま押し切り勝利を収めました。2着ゼーヴィントとはクビ差ながらも、ゼーヴィントは好位でレースを進めたことを考えれば、ディーマジェスティの強さが改めて示されたレースでした。

ディーマジェスティは父ディープインパクト、母父ブライアンズタイム、母はエルメスティアラで、共同通信杯、皐月賞、セントライト記念と重賞3勝目になります。母系に刻まれる母の母シンコウエルメスはその名が記憶に刻まれている馬で、聞き覚えがあるファンも多いのではないでしょうか。シンコウエルメスは、半兄にイギリスとアイルランドの2カ国のダービーにキングジョージを制覇したジェネラス、全姉にイギリスオークス馬イマジンの血を持ち1990年代半ばに日本へとやってきます。しかし、デビュー戦後の調教中に骨折。左右の骨が割れるほどの重度で通常であれば安楽死処分を、藤沢和雄調教師の熱意よってその生命がつながれ大手術を敢行し、その後徐々に回復し繁殖入りした馬です。

その超良血の血をエルメスティアラから受け継いだディーマジェスティは、この秋一段とスケールアップした堂々たる走りを見せてくれました。残る菊花賞トライアルの神戸新聞杯にはサトノダイヤモンド、エアスピネルが出走を予定しています。最後の一冠へ向けて非常に楽しみが増してきます。

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