きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

セイントバラードの肖像

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秋のクラシック最終章へ向けて3歳馬の蹄音が次第に増していく中、3歳最強世代の一角リオンディーズの戦線離脱となってしまいました。昨年朝日杯フューチュリティステークスを制覇して頂点に立ち、皐月賞、ダービーと強き3歳世代の走りを見せ、秋は神戸新聞杯から天皇賞(秋)へ向けて調整されていた矢先での屈腱炎発症。発表では9カ月以上の長期休養を要する見込みのようです。じっくりと休養し、朝日杯フューチュリティステークスで武豊騎手の大記録の前に立ちふさがった強き姿を再びターフで見れる日を待ちたいと思います。

日曜阪神5Rの2歳新馬(芝・1800m)に良血ザウォルドルフが登場。注目を集めています。ザウォルドルフは父ディープインパクト、母ウィーミスフランキーの血統です。母のウィーミスフランキーは現役時代G1・2勝。アメリカで活躍した馬でザウォルドルフは初仔になり、2014年のセレクトセール当歳で1億5120万円で落札されました。今年の3歳クラシックトレンドのヘイローのクロス(3 x 4)と、ノーザンダンサー5 x 5のクロスを持ちます。母系に刻まれるセイントバラードは、1991年から1992年にかけてアメリカで走った馬です。現役時代G1勝ちはなく重賞2勝。輝かしい成績は残せなかったものの良血であることから種牡馬入り。初年度産駒でフロリダダービー馬キャプテンボジットを送り出し、名門テイラーメイドファームへと移ります。
しかし移ってからわずか数年で病により安楽死となりこの世を去ります。没後、翌年にセイントバラードの血を受け継いだアシェイドがG1スピナウェイステークスを快勝。2歳牝馬チャンピオンの座に輝き、翌2004年、2005年もG1を勝ちまくり、同じくセイントバラードが生前残したセイントリアムが牡馬G1戦線で活躍するなど、セイントバラードは死後に種牡馬として2005年度北米リーディングサイアーを獲得したのでした。それはまるで、ゴッホが死後に世界的評価を受けたかのごとくでした。

そのセイントバラードの血をサンリバー、ウィーミスフランキーから継承されたザウォルドルフは、初戦どんな走りを見せるでしょうか。

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