きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

華麗なる牝馬の競演

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今週は阪神競馬場で秋華賞トライアルのローズステークス(GII)が施行されます。牝馬三冠の最終戦となる秋華賞ですから、最後の一冠を狙って多くの実力馬が前哨戦である本レースに集結します。牝馬三冠を達成したアパパネやジェンティルドンナらは、このローズステークスを秋の始動戦としていました。過去10年の秋華賞優勝馬のうち7頭がローズステークスをステップアップしていたように、本レースは最後の一冠を手に入れるための重要なレースとして位置付られているのも納得ですね。1983年に牝馬限定の重賞競走として創設され、エリザベス女王杯トライアルのサブタイトルが付けられ施行されました。創設翌年にGIIへ格上げされ、その後、1996年に秋華賞が創設されたことによって秋華賞トライアルに指定され、距離の短縮を経て現在に至ります。本レースの3着までに秋華賞の優先出走権が与えられますから、先週一足先に行われた紫苑ステークスで出走権を得たライバルに存在感を示せるか、楽しみな一戦です。

中でも注目は、桜花賞馬ジュエラーとオークス馬シンハライト。ハナさの死闘を演じた桜花賞は、手に汗握る素晴らしいレースでした。おしくも二冠目をかけたオークスでは怪我により2度目となる激突は実現しませんでしたが、夏を越し更に気力が充実した今回。春とは比べ物にならない迫力あるレースが見られそうです。約5ヶ月ぶりの実戦となるジュエラーですが、休養からきゅう舎へ帰厩後、しっかりと調教メニューをこなし、調整は順調のようです。500kgを超える大型馬ですが動きに重さは感じられませんから、最後の一冠に向けて要注目です。

さらに、もう一頭の優勝候補であるオークス馬のシンハライト。デビュー5戦で4勝、2着1回と唯一の負けが桜花賞ですから、この一敗もわずかハナの差の接戦でした。オークスで叶わなかったリベンジを本レースで実現し、秋華賞へ弾みをつけられるのでしょうか。
この2頭以外にもディープインパクト産駒のレッドアヴァンセや高いレースセンスを持つアットザシーサイド、桜花賞を優勝したダンスインザムードを母に持つカイザーバルらもいます。

ローズステークスの「ローズ(Rose)」はバラを意味します。トライアルレースである本レースを優勝し、クラシック最後の一冠である秋華賞に向けてバラ色の花道を歩むことができるのは一体どの馬になるのでしょうか。

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