きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

行列のできるスタリオン

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ヨーロッパ競馬の今季のハイライトは、息子フランケルが驚異的な快進撃を見せるかと思えば、親父ガリレオも神懸かり的なG1狩りで貫禄を示し、昨日も少しご紹介したように、血統地図をガリレオ系とそれ以外とに二分してしまった事件が現在進行形でますます加速させていることです。しかしヨーロッパからすれば異系筋にあたるディープインパクトの盛り上がりもなかなかです。とくに数年前にクラシック馬ビューティーパーラーを出したフランスにおけるディープ熱は燃え盛る一方のようです。

マカヒキの二エル賞制覇はもちろんですが、その3日前にはアキヒロというディープインパクト牡馬がG3シェーヌ賞を後方から父譲りの末脚を繰り出して完勝、クラシック路線に名乗りを上げました。デビュー戦は相手の進路妨害で繰り上がり優勝と不完全燃焼でしたが、地力の確かさを自ら証明した形です。超一流ファッションブランドのシャネルのオーナーでもあるヴェルテメール兄弟のオーナーブリーダー馬で、曽祖母に凱旋門賞馬ゴールドリヴァーを持つ一門ゆかりの良血牝馬バーマをノーザンファームに送り込んで誕生した日本産馬です。この後は順調なら凱旋門賞当日に行われるG1ジャンリュックラガルデール賞に挑戦、メインレースのマカヒキと揃い踏みということになりそうです。

ジャンリュックラガルデール賞は日本とは非常に縁の深い重賞で、3年前には母父サンデーサイレンスの白老ファーム産カラコンティが勝っており、5年前にはハットトリック産駒のダビルシムが5戦5勝で制覇し、ヨーロッパの2歳チャンピオンの称号を戴冠しています。カラコンティはその後も成長して春には仏2000ギニーでクラシック馬となり、秋にはBCマイルで世界のマイル王に君臨しています。縁起の良い出世レースというプロフィールも持っているレースです。もしマカヒキと夢のような頂上ダブル制覇が実現すれば、社台スタリオンステーションの前には世界中から行列ができることになるのでしょうね。

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