きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週は上半期を締めくくる宝塚記念が行われます。ときに血統の歴史はおもしろい物語をファンに仕掛けてくれます。ジャスタウェイがドバイで世界にその名を轟かせたかと思えば、オークスのヌーヴォレコルト、ダービーのワンアンドオンリーと3歳クラシックをハーツクライ産駒が制覇。翌週、ドバイから凱旋したジャスタウェイが再び国内G1を制し、3週連続でハーツクライの血が国内でオーラを放ちました。

ハーツクライは、ディープインパクトよりひとつ先輩で、3歳時は皐月賞14着、ダービー2着、菊花賞7着に終わっています。しかし多くのファンはハーツクライの才能に期待を寄せつづけ、古馬になってからもレースでは支持を集めていた馬でした。反面、後方からのレースに弾けてくれそうで弾けきれない、そんな結果に歯がゆさを感じさせていました。

そのハーツクライの才能が開花本格化したのは暮れが近づく4歳秋になってからでした。

菊花賞後調整に戸惑うディープインパクトに、積極的な先行策を仕掛けて初の黒星をつけた有馬記念やドバイシーマクラシックで世界の頂点に立ったレースもハーツクライのハイライトのひとつでしょうが、その前のジャパンカップ、そして3着に敗れはしたもののハリケーンラン、エレクトロキューショニストと3頭壮絶な叩き合いとなったキングジョージが、ハーツクライの勝負根性、凄みを最も感じさせたレースだったように思います。

ディープブリランテ、キズナと2年続いたディープインパクト産駒のダービー制覇でしたが、ハーツクライ産駒がディープ産駒の独占に待ったをかけました。まるで2005年の有馬記念を見ているかのようです。今週の宝塚記念では、ウインバリアシオン、カレンミロティック、フェイムゲームのハーツクライ産駒に、ディープインパクト産駒はジェンティルドンナ、デニムアンドルビー、ヴィルシーナで迎え撃ちます。はたして、結果はどうなるでしょうか。

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