きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

重賞に生まれ変わったトライアル競走

ようこそいらっしゃいませ。

夏競馬も終わり、今週から待ちに待った秋競馬が始まります。中山競馬場も皐月賞から約4ヶ月ぶりとなり、中山開催の始まりを待っていた競馬ファンは多かったのではないでしょうか。芝・ダートコースともに夏季中にじっくりメンテナンスされ、最高の状態となっています。

開幕週は昨年までオープン特別だった紫苑ステークスが今年からGIII に格上げされ、秋華賞のトライアルの位置付けはそのままに優先出走権が2着以内から3着以内に変更となり、実施されます。2000年に創設された本競走を経由し、秋華賞で連対を果たしたのが2014年優勝のショウナンパンドラのみとなっていますが、重賞競走へ格上げされたことで、今後はこのレースをステップに秋華賞で好走する有力馬が増えるかもしれません。

今回の注目馬は、父ディープインパクト、母バランセラのビッシュ。前走のオークスでは、直線で一旦トップに出てシンハライト、チェッキーノの2頭に差される形で3着になったものの、その能力はGI で通用することを証明してみせたレースだったのではないでしょうか。現在の収得賞金は900万円ですから、ここで確実に権利を取り、秋華賞でリベンジを狙っていきたいですね。

対するは、キングカメハメハ産駒のエンジェルフェイス。今春のフラワーカップで初重賞優勝を果たし、その勢いでオークスへ挑戦したものの最後はスタミナ切れで10着。距離が長かった印象から、今回の2000mの舞台なら十分優勝を狙っていける位置にいます。フラワーカップを逃げ切った非凡なスピード能力を引き出せるかがポイントになりそうです。

他にも夏を完全休養にあて、秋華賞を目標に順調に仕上がっているパールコードや、阪神ジュベナイルフィリーズを2着に好走し随所に能力の高さが光るウインファビラス、全姉にヴィクトリアマイルを2連覇したヴィルシーナがいるヴィブロスらもいます。

重賞競走に格上げされてから初戦となる今回。牝馬クラシック最後に一冠を掴み取るための最初の試練が待ち受けています。この試練を突破し、栄光へ第一歩を踏み出すのは一体どの馬になるのでしょうか。

×