きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

G1ハンター・ガリレオの野望

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いよいよ凱旋門賞トライアルウィークを迎える今週末、日本のマカヒキが出走するシャンティイのG2二エル賞が話題を一手に集めそうですが、ヨーロッパでは秋の深まりの早いアイルランドのチャンピオンズシリーズ最終戦を中心に、各地を合わせると8つものG1レースが一挙に行われます。ここを起点に10月初旬の凱旋門賞ウィークエンド、中旬のイギリス・チャンピオンズ頂上戦、月末のアメリカ・ブリーダーズC決戦、アジアに目を転じると日本のオータムインターナショナル、暮れの香港の国際競走デーと華やかを極めるG1が目白押し!競馬の醍醐味を堪能できる季節が到来しました。ローカルG1の格付けですが、今年パート2国に昇格した韓国も国際化に熱心で、この週末には歴史的な第1回のコリアC、コリアスプリントが開催されます。日本馬も出走しますから、こちらも楽しみです。

さて、これだけのスケールのG1レース揃い踏みとなると、その覇権の行方、中でも今年G1を世界中で勝ちまくっている大種牡馬ガリレオの動向が気にかかります。この不世出の名種牡馬は、今年G1レースを既に14勝もしています。2位が日本のディープインパクト、アメリカのタピットとカーリン、南米専用からヨーロッパにも勢力を拡大してきたスキャットダディの4頭が6勝タイで並走しています。ガリレオの独壇場と言って良い状況です。ガリレオはこれまで毎年のようにG1レースで10勝以上を上げてきたのですが、彼のキャリアハイはフランケル、ナサニエルがヨーロッパを制圧し、ケープブランコがアメリカで暴れまくった11年に年間19勝というトテツもない大記録を打ち立てています。それに並ぶまで後5勝は楽ではありませんが、今の彼の勢いを持ってすれば不可能領域と諦めるのも早計でしょう。そのチャレンジは今季のハイライトになるワクワク感が充満しています。

ご承知のように優良産駒のほとんどはクールモアを核とする多様なシンジケートに所有され、アイルランドの名門エイダン・オブライエン厩舎で管理されているのですが、オブライエン師はガリレオの新記録樹立に万全と言って良い布陣を敷いています。第一の矢は土曜の英セントレジャーで必勝を期すアイダホでしょうか。彼は今年の英愛ダービー馬で凱旋門賞でも前評判の高いアガ・カーン殿下のハーザンドと3度対決して、英ダービー3着、愛ダービー2着など3度とも負けている馬です。しかし差は徐々に縮まってきているのも確かで、ハーザンドのいないここは父の大記録達成に弾みをつけるためにも負けられない一番です。他G1の展望も含めたこの続きは明日お届けします。

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