きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

早熟に留まらない走りを

ようこそいらっしゃいませ。

夏競馬もいよいよオーラスを迎えました。新潟記念、小倉2歳ステークスが夏競馬の最後を飾ります。

小倉2歳ステークスは1981年に創設されたレースで、創設時から1200mを舞台に行われているレースです。かつては2歳早熟馬によるレースというような、まるで競走生活のひとつのゴールのような印象もあった小倉2歳ステークスですが、2000年に入って以降は3歳、あるいは古馬になってからも活躍する馬も優勝馬あるいは上位馬から出ているレースになっています。2006年優勝馬のアストンマーチャンは翌年スプリンターズステークスを制覇してますし、昨年優勝馬のシュウジは今年のサマースプリントシリーズを2走していずれも2着。スプリント戦線への活躍に期待が高まっています。

小倉2歳ステークスが早熟に留まらない舞台、そんな印象を強くさせ小倉2歳ステークスへの見方を変えるきっかけにもなったのが2003年のレースだったように思います。
この年は2歳新馬戦、フェニックス賞と逃げ切って連勝で乗り込んできたメイショウボーラーが、単勝1.5倍の圧倒的な支持を受けてのレースで、スタートからスピードの違いを見せつけて2着以下に5馬身差をつけて圧勝。新たなヒーローの誕生に期待が高まった結果となりました。そのメイショウボーラーは次走デイリー杯2歳ステークスでも逃げ切って優勝。無傷の4連勝で朝日杯フューチュリティステークスへと乗り込んできます。誰もが無敗の2歳王者誕生と思っていた瞬間、そのメイショウボーラーをクビ差とらえたのが小倉2歳ステークスで決定的差をつけられ2着に敗れたコスモサンビームでした。

小倉2歳ステークスから始まったメイショウボーラーとコスモサンビームの激突は、朝日杯フューチュリティステークス、皐月賞、NHKマイルカップへとつづき、NHKマイルカップではキングカメハメハが2頭の前に大きく立ちはだかったものの、2着コスモサンビーム、3着メイショウボーラーと両馬ともに朝日杯フューチュリティステークスでの実力を示しました。メイショウボーラーは古馬となってからはダート路線でも活躍。フェブラリーステークスを勝ち、スプリンターズステークスではテイクオーバーターゲットの2着に入る活躍を残しました。

今年は15頭の出走となりました。早熟に留まらない走りをぜひ魅せてください。

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