きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

新星は超良血馬!

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ちょっと記憶にない快進撃でフランケルフィーヴァーに沸くヨーロッパ競馬界ですが、また1頭新星が躍り出ました。先週のアイルランド・カラー競馬場で行われたG3フレイムオブタラSで勝利を収めたシーオブグレイスの父ボーントゥシーがその馬です。馬名からイメージできるように余りにも有名なアーバンシーの息子さんです。彼女自身、凱旋門賞ではのちに日本で種牡馬として成功したホワイトマズルやオペラハウスをまとめて負かして戴冠した名競走馬で、牧場に戻ってからもガリレオ、シーザスターズなど4頭の産駒がG1を12勝している名繁殖牝馬として名を馳せました。現在、英愛リーディングではこの兄弟が1位と2位を占めており、種牡馬の母としても並ぶものがいない存在です。ボーントゥシーはこの偉大な母のラストクロップで、競走馬としては8戦1勝と大きく期待を裏切りましたが、愛ダービーでは2着に健闘して才能の片鱗を見せています。

現役引退後はシーザスターズと同じく、アガ・カーン殿下のアイルランドでの生産拠点で、ウオッカが繋養されていることでも有名な名門ギルタウンスタッドで種牡馬になったのですが、初年度産駒からいきなり結果を出したのは、さすが世界有数の超良血馬です。スプリンター種牡馬として大成功しているインヴィンシブルスピリットの血ですから、基本的には仕上がり早く2歳戦から能力を発揮するタイプでしょう。しかし同じダンチヒ系の血を引く半兄シーザスターズが既にダービー馬やオークス馬を輩出しているように、アーバンシーが伝える底力は大物出現の可能性を十分に感じさせるものです。

インヴィンシブルスピリットは、フランケル2世と評判になりヨーロッパ年度代表馬に輝いたキングマンなど有能な後継馬を送り出していますが、ボーントゥシー同様に今年の新種牡馬メイソンもその1頭です。向こうでは新種牡馬リーディング上位に食い込む活躍ぶりですが、日本へも今週のG3小倉2歳Sで注目を集めるメイソンジュニアを送り込んでおり、新血脈インヴィンシブルスピリット系の世界中を舞台に伸び行く勢いは目が離せません。

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