きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

マイル絶対王者の第2幕

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日曜札幌競馬場では札幌記念が行われました。今年の札幌記念にはマイル絶対王者のモーリスが参戦。芝1600mの舞台で国内、世界と頂点を極めた王者が、新たなる階級・芝2000mへとモチベーションを高め、王者として挑む芝2000mの舞台に注目を集めたレースとなりました。そのモーリスは単勝1.6倍の支持を集め、多くのファンが父スクリーンヒーロー、父の父グラスワンダーとモーリスの持つ血統的背景に距離は射程圏内と見極め、久々のマイル以外の距離にどうパフォーマンスを出せるかといった見方が中心となっていました。

レースを振り返ると、ネオリアリズムが逃げてモーリスは中団追走。1000m通過が59秒9で馬場状態からすればハイペースでレースを引っ張り、直線でも先頭は譲らずそのまま押し切って優勝。モーリスは4コーナーから進出し直線で3着のレインボーライン同様36秒3の最速上がりで追い上げるも、ネオリアリズムの走りは止まらず2馬身差の2着の結果となりました。モーリスの新たなる船出はルメール騎手のネオリアリズムによって、結論を出すのにひとつの待ったがかけられました。

札幌記念の結果を受けて、相手にうまく走られたとは言え相手との実績差からしたら2着は距離が合わなかったとの見方もあるでしょう。一方で、雨降るレースで稍重発表以上に時計がかかっていた馬場でしたから展開が合わなかったし、レインボーラインと同じ上がりタイムとは言え斤量差3キロを加味したら一番の最速上がりで、外回る展開に距離2000mでも力強い走りを魅せたとも取れるレース内容です。これが惨敗だったら結論は早かったのでしょうが、相手にうまくペースを運ばれての2着でしたから見方は人によって割れそうです。

モーリスは秋、天皇賞(秋)へのプランが予定されていますが、さてどうなるでしょう。絶対王者の第2幕は、想像を超えた物語が描かれていきそうです。

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