きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

死してなお健在

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南半球のオーストラリアは7月一杯でシーズンが閉幕、8月から新年度となり馬たちも1歳年を取ります(同じ南半球でも南米は1ヶ月早く7月には新シーズンに突入しています)。いずれにせよシーズンの変わり目となると、この1年の各種リーディングが気になります。種牡馬リーディングサイヤーは、ご存じのようにオーストラリアではデインヒル系の指定席になっているのですが、昨季はアメリカからシャトルされていたミスタープロスペクター系のストリートクライが王座奪取に成功しました。彼はスタッドイン初年度からシャトル生活を始め、不幸にも病に倒れ死んだのも一昨年のオーストラリアでしたから、リーディングサイヤーの栄光は南十字星に思いが届いたということになりそうです。

何と言っても牝馬ウィンクスの活躍が大きいですね。彼女はマイルから2000m級までカテゴリーの壁を超えて走りまくり、昨年は日本で言えば天皇賞秋に相当するG1コックスプレートで南半球随一の国際派として世界を股にかけるクライテイリオンや先日のキングジョージを勝ったハイランドリールを軽くあしらいました。目下9連勝中とその強さはストリートクライの初年度産駒ゼニヤッタの無双ぶりに匹敵するものがあります。今秋のコックスプレートには、日本のエイシンヒカリやモーリスなどに招待オファーがかけられており、ローテーション的に厳しそうなのですが、ゼニヤッタ級の名牝ウィンクスとの対決を見てみたい思いはあります。

死して王座に就いたストリートクライ、しかし後継馬もそれなりの実力馬が揃っています。豊作だった初年度産駒に可能性の高さが感じられます。ストリーボスは今年のケンタッキーオークス馬キャサリンソフィアを出しました。一番星は日本にいたこともあるストリートセンスでしょうか?何しろ史上唯一のBCジュベナイル馬にしてケンタッキーダービー馬という折り紙付きの実力馬です。同期にカーリンやハードスパン、カジノドライヴのお姉さんのラグストゥリッチーズなど近来稀に見る強豪世代に属していたことも信頼の証しでしょう。日本では1年だけの供用で現2歳馬100頭足らずがクラシックを目指します。現在まで7頭がデビューして2頭が勝ち上がるというまずまずの成績ですが、レースセンスの良さそうな馬が揃っており、この先の2歳戦線の台風の目になるかも?

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