きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.8.3

ヒロインの世代交代

ようこそいらっしゃいませ。

世界はすっかり夏競馬モードです。フランスのドーヴィルは有名ですが、アメリカでも東海岸はサラトガ、西海岸はデルマーとそれぞれリゾート地を舞台に、週5日からところによっては週6日、競馬浸りの日々が続きます。もちろん毎週のようにG1レースが用意されるのですが、時期的に有望な新馬がデビューすることも多く、ここから来季クラシックのワクワクが始まるというのも過言ではありません。

昨年はサラトガで、近年屈指の女傑レイチェルアレクサンドラの娘レイチェルヴァレンティナがデビュー戦と続くG1スピナウェイSを連勝して、アメリカのファンを熱狂させたのは鮮烈な思い出になっています。そのヴァレンティナなのですが、
彼女を生んだ後に母アレクサンドラが体調を崩し事実上繁殖から引退したこともあって、先ごろ偉大な母の後継として牧場へ帰って行きました。残念ですが、唯一の後継として大事な仕事が待っています。何年か後に彼女の子供たちに競馬場で会えるのを楽しみにします。

ヴァレンティナ引退ショックも冷めやらぬ先週末、今度はデルマーでニューヒロインが誕生しました。史上唯一の三冠馬にしてBCクラシック馬というヒーロー・アメリカンファラオの全妹、その名もアメリカンクレオパトラがデビュー戦を快勝したのです。兄とは父も同じパイオニアオブザナイルで、このエンパイアメーカーの血を引く新進種牡馬は、日本でも2頭目という希少な産駒からレヴァンテライオンが新馬・函館2歳Sを連勝して評判が急騰しています。兄同様にオーナーブリーダーのザイヤットステーブル、ボブ・バファート調教師の管理馬、デビュー地も昨夏のデルマーでしたから、何もかもが瓜ふたつ。違うところは兄が5着に敗れていることだけです。ケンタッキーオークスを目指すのか、それとも世界競馬史に前例のないケンタッキーダービー兄妹制覇に野望を燃やすのか?今から気分が高揚する思いです。