きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.7.7 母内サドラーズウェルズ系

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ヨーロッパでフランケルの初年度産駒の走りが大評判だというお話をしましたが、一昨日も新たに1頭が2戦目で未勝利を脱出、これでデビューした5頭がすべて勝ち上がったことになります。実に勝馬率100%！なんとも凄いことになって来ました。勝ち上がり産駒の大きな特徴としては5頭中3頭までがサドラーズウェルズ3×3（内1頭はサドラーズウェルズ＝フェアリーキングの全兄弟クロス3×3）という際立ったクロス。日本ではちょっとお目にかかれない強烈さです。他の2頭もミスプロやダンチヒやブラッシンググルームなどフランケルの血統構成からピックアップするようなクロスが目立ちます。フランケルにおける配合実験第1弾ということなのでしょうが、かなりリスキーでありながら、ここまでは大成功という評価で良いでしょうか？

全世界を覆い尽くすようなサドラーズウェルズ族の領土拡張を目の当たりにして、種牡馬としての成功はさておき半分は牝馬なのですから、それらとの融和性を考えなければという意味のことを書きました。母父サドラーズウェルズというスタディは日本馬産界でも一定の成功を収めています。名馬エルコンドルパサー、3戦目でダービーを勝ったフサイチコンコルドやその半弟で皐月賞馬のアンライバルドなどを既に出しています。牝馬も頑張っています。天皇賞秋のヘヴンリーロマンス、日米オークスのシーザリオなどが母父サドラーズウェルズでした。彼女たちは繁殖牝馬としても優秀なのはご存じの通りです。仮に彼女たちにフランケルを付けるとサドラーズウェルズ3×3ということになります。フランケル産駒とは、どうやらこのクラスの配合から生まれたハイレベルさの持ち主のようです。

ちょっと話は古くなるのですが、ダービートライアルの青葉賞で強い勝ち方をしたディープインパクト産駒のヴァンキッシュランは母父ガリレオの血統でした。ディープの飛ぶような華麗さよりは、圧倒的な力強さが目立つ内容でした。今後の成長次第ではディープに新しい持ち味を付け加えそうです。フランケルによるインブリード志向か？ディープによるアウトブリード路線か？世界の血統地図は新しい展開に入っていくのでしょうか？

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