きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

秋への飛翔

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日曜福島競馬場では3歳ハンデ重賞のラジオNIKKEI賞が行われました。かつては「日本短波賞」「ラジオたんぱ賞」の名称で行われていたレースで、1967年までダービー優勝馬は出走できなかったことやダービーの敗者復活戦の意味合いが強かったことから残念ダービーとの俗称もあったレースです。
しかしいつ頃からかその意味合いも薄れ、近年では才能開花が春までに間に合わなかった素質馬が秋への飛翔を高めるレースといった様相となっています。特にその印象を強くしたのが2007年のレースで、このときは3月にデビューしたばかりのロックドゥカンブが無傷の3連勝を決め、秋にセントライト記念1着から菊花賞へと向かい1番人気の支持を集めました。そのロックドゥカンブの2着に入ったのがスクリーンヒーローで、スクリーンヒーローは3歳クラシックこそ出走ならずでしたが翌年のジャパンカップ優勝。種牡馬となってモーリスにゴールドアクターを誕生させています。

さて今年ですが優勝したのはディープインパクト産駒のゼーヴィントで、2着に牝馬のダイワドレッサー、3着にアーバンキッドとなり以下、クビ、ハナ、クビ差がならぶハンデ戦らしい混戦模様での結果となりました。勝ったゼーヴィントは道中中団で馬場内側を追走し、直線馬群の中から抜け出しての勝利でした。ゼーヴィントは父ディープインパクト、母シルキーラグーン、母父ブライアンズタイムの血統です。前走のプリンシパルステークスはゲートで遅れて後方からとなり、それでも最後は前残りの展開の中をただ1頭後方から追い上げて3着に入る末脚をみせていました。

母父ブライアンズタイムで父ディープインパクトといえば、今年皐月賞を制覇したディーマジェスティも同じ配合です。この夏、さらなる成長を遂げハイレベルな3歳世代の上位一角にその名を連ねることができるでしょうか。

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