きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.6.29

3歳馬、古馬に挑戦す!

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夏競馬の愉しみは洋の東西を問いません。世代最強馬決定戦の趣きがあるロイヤルアスコット開催が幕を閉じたと思ったら、爽やかな初夏の陽射しに誘われるように、鍛え抜かれた歴戦の古馬たちが成長盛りの3歳馬を迎え撃つ本格シーズンがやって来ます。その第1弾と言っても良いのでしょうか、先週末はアイルランドで牝馬たちによる10FのG1プリティポリーSが行われました。勝ったのは今年のギニーとオークスの二冠女王マインディング、充実盛りの3歳馬に軍配が上がったことになります。いつものように後方からゆったり進み、ライアン・ムーア騎手に促されると、あっという間に全馬を抜き去り4馬身半もちぎって見せました。もしかしたら牡馬も含めて、3歳の世代No. 1はこの馬かもしれません。距離はドンと来いのガリレオ産駒ですから、凱旋門賞ではマカヒキの手強いライバルになりそうです。

この時期の混合戦は3歳に5キロ強のアドバンテージが与えられるのですが、とは言え経験の浅い3歳馬が古馬を打ち負かすのは簡単ではありません。最近を振り返っても3歳馬の勝利は、5年ほど前のミスティフォーミー、その前は10年近く遡るピーピングフォーンとなかなかに狭き門なのです。いずれも一時代を築いた名牝です。とくにピーピングフォーンは、クールモアのマイケル・テーバーさんの愛馬なのですが、アメリカに渡ってタピットを種付けされ、日本のノーザンファームまで長旅してディープインパクトの現2歳馬を生んでいます。帝王ガリレオと並ぶ世界種牡馬界三巨頭を配合されています。どれほど高く熱い期待を独り占めしている牝馬か容易に想像ができます。タピットの仔ヘヴンズグローリー、ディープインパクトの仔ウィスコンシンは既にアイルランドのエイダン・オブライエン調教師の元に送られており、タッピトは遅いデビューになりましたが、ディープは来年のクラシックが今から楽しみです。

さて、今週は牡馬の混合戦G1エクリプスSがイギリスで行われます。昨年は3歳馬ゴールデンフォルンが勝っていますが、その前のシーザスターズと同じくダービー馬にして後に凱旋門賞を勝つような名馬でないと、3歳馬が勝つのはプリティポリーS同様に難しいレースです。今年は仏2000ギニーを圧勝しながら、ロイヤルアスコットのセントジェームズパレスSでは道悪に足を取られて2着に敗れたザグルカが秋の飛躍を占う一番となりそうです。牝馬のマインディング同様にエイダン・オブライエン厩舎のガリレオ産駒でレースぶりのスケールの大きさではさすがと思わせる逸材です。その行く手に立ちはだかるのが、プリンスオブウェールズSで日本のエイシンヒカリなどを破り古馬戦線の新鋭マイドリームボート、未完の大器と言われ続けてきたタイムテストなどほぼ三つ巴の形勢になっています。秋の陣への開幕戦、じっくり見せてもらいましょうか。