きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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●先週末のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSは、3歳牝馬のタグローダがゴール前で力強く伸び、古馬勢に3馬身差の完封劇を演じました。陣営の目論見どおり斤量差も生きたでしょうし、古馬陣も飛車角落ちのメンバー構成という感もありました。4戦4勝の負け知らずは魅力ですが、凱旋門賞を勝つにはもう一段の飛躍が必要でしょうね。

●今日はグッドウッド競馬場で、マイルの頂上決戦サセックスSが行われます。キングエドワード7世が『競馬で彩られた園遊会』と呼んだグロリアス・グッドウッド開催は、ロイヤルアスコット同様に紳士淑女が集まる華やかな社交の場として有名ですが、そのメインに位置付けらる格調高い伝統のレースです。1841年に3歳限定戦として創設され、100年以上を経た1960年に4歳に開放され、75年から5歳以上もOKとなり、現在の3歳56.5キロ、古馬60.5キロ、牝馬1.5キロ減による世代や性別を超えた頂上決戦という形が確立されました。これまでに9頭がディフェンディングチャンピオンとして連覇に挑みました。少なく感じますが、チャンピオン級の馬は3歳で引退するのが通例でしたから、まぁこんなものでしょう。ちなみに連覇を達成したのは、長い歴史の中で一昨年のフランケルただ1頭です。改めてフランケルの強さが偲ばれます。

●しかし近年は心ある有力馬主が競馬を盛り上げようと古馬になっても走らせる傾向が強まっています。2010年には3歳キャンフォードクリフスが前年の覇者リップヴァンウィンクルを倒し、翌年はそのキャンフォードをフランケルが一蹴しています。馬主さんたちの思惑どおり競馬がスリリングになってきました。今年も昨年の覇者トロナドが連覇を目指します。このチャンピオンに挑むのが3歳馬のキングマン。英2000ギニーは展開の綾で取りこぼしましたが、その後は愛2000ギニー、セントジェームスパレスSを連勝して通算6戦5勝と世代トップを独走しています。この両馬の一騎打ちという評判ですが、さてその結果は?

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