きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.6.22

競馬価値の戦い

ようこそいらっしゃいませ。

初夏恒例の王室競馬ロイヤルアスコットが今年も煌びやかに開幕し華やかな余韻とともに閉幕しました。お膝元のイギリス始めアイルランド、フランスなどヨーロッパ諸国、北半球からアメリカ、日本、南半球からオーストラリア、香港などの競馬先進国調教馬が参戦し、国際色豊かなカーニバルとなりました。当協会会員さんは、昨年スピルバーグなどの山本英俊さん、今年はエイシンヒカリなどの栄進堂さんが2年連続でこの国際舞台に参戦されました。名誉ある挑戦を誇りに思うとともに、その勇気に感謝の念が湧きます。こうした先進性を糧に中山競馬がますます発展していくことでしょう。

近年のロイヤルアスコットを見ていて思うのは、競馬が牧歌的な勝ち負けを競う時代から、その価値の大きさや重さを練磨する時代になっていることです。価値とは、言うまでもなく感動という言葉に置き換えられそうです。馬主、関係者のホースマンはもちろん、無数のファンまで含めて感動を共有できる世界観です。女王陛下のご臨席も価値でしょうし、生産国、調教国の異なる国々から各国選り抜きのチャンピオン・サラブレッドが集結するのも価値の証しです。そこへ今年のフランケル初年度産駒のような競走経験のほとんどない馬たちを走らせるチャレンジ精神も未来の大きな価値を紡ぎ出していくことになるのでしょう。ここには競馬の過去・現在・未来のすべてが詰まっています。それが伝統というものなのでしょう。

フランケル産駒ということで言えば、日本でも十指に余るほどの初年度産駒たちがスタンバイしています。彼らにはアイルランド生まれ、イギリス育ちもいれば、南半球からやって来た仔馬もいます。日本のセレクトセールで取り引きされた馬もデビューします。それらをこの国のホースマンが育て鍛え競わせます。フランケルに限らず、これからの日本競馬はそうしたものとして成長していくのでしょう。生産・馴致育成・調教・競走に至るまですべてのプロセスでホースマンの価値観と技術が試される時代です。番組編成や海外馬の招致なども今まで以上にその価値が厳しく問われます。思えば大変な時代になったものです。先に述べた当協会が誇る先駆者のチャレンジを発展の礎にできればと心から思います。