きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.6.16

日本の挑戦は終わらない

ようこそいらっしゃいませ。

エイシンヒカリは残念でした。でも、ブッチギリの圧勝の次はドンジリ負けというのも、この馬の愛すべきキャラクターなのでしょう。アスコットの想像を絶する馬場のワイルドさも話題になりました。もともと300年以上も前に時のアン女王が馬車で丘陵地を通りかかった折に、インスピレーションが閃いて競馬場を造成したのが始まりだそうです。自然のままのアンジュレーションにできるだけ手を加えず、野生を保ち続けてきたのですから、良く手入れされた人工的な日本庭園の伝統を引き継ぐ我が国のコースとはおよそ別物です。これも競馬なら、あれも競馬。競馬というものは、実に奥が深くて答えのない神秘に覆われています。なかなか馬券が当たらないのも、当然なのかもしれません。

さて、エイシンヒカリのロイヤルアスコット挑戦は終わりましたが、日本関連のサラブレッドたちの挑戦はまだ終わりません。三日目の今夜は20ハロン≒4000mの長丁場で競うロイヤルアスコットの華・ゴールドCが行われています。ダントツの人気になっているのはオブライエン厩舎のオーダーオブセントジョージというガリレオ産駒です。昨秋のアイリッシュセントレジャーを11馬身差の爆勝で飾り、目下4連勝中と向かうところ敵なし状態です。離れた2番人気に支持されているのがマックスダイナマイトという馬。フランス産馬ですが父は日本で走っていたグレイトジャーニーですね。ノースヒルズのオーナーブリーダー馬としてシンザン記念やダービー卿チャレンジTなどを勝っているマイラーですが、サンデーサイレンスの血の導入に熱心なフランスホースマンのオファーで海を渡ったものです。ジャーニーの半兄ノーリーズンは皐月賞馬であり、半姉の孫にダービー馬ワンアンドオンリーが出ています。ノースヒルズさんには宝物のような血統です。日本ではサンデーサイレンス系の生存競争が激しく大変ですが、フランスで成功してくれてホッと一安心です。

マックスダイナマイトは母父モンズーンの影響が強かったのかスタミナに恵まれて、障害レースなどにも使われていたのですが、昨年の夏にロンスデールCという16ハロン≒3200mのレースを勝つと本格化し、オーストラリア遠征のメルボルンC2着で名を挙げました。メルボルンC史上初めて女性騎手が勝って喝采を浴びたレースで、もし勝っていたら世界中を敵に回すところでした。でも今度は大丈夫。ゴールドCの勝者はロイヤルアスコットのヒーローです。グレイトジャーニー偉大な旅路の終わりに、威力最高のマックスダイナマイトを爆発させて、夜空を焦がすような大花火を打ち上げてください。