きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

お盆を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。今週も週中は海外競馬の話題をお届けします。どうぞお楽しみください。

●エリザベス女王の愛馬として知られるカールトンハウスがダーレーオーストラリアで種牡馬生活に入りました。もともとモハメド殿下から女王に贈られた馬ですから、落ち着くべきところへ落ち着いたということでしょうか。南半球はこれからが繁殖シーズンですから、さっそく繁忙期を迎えることになります。ダービーの重要前哨戦であるG2ダンテSを勝ち、ダービーはきわどい3着、女王主催のロイヤルアスコットではG1プリンスオブウェールズSで2着して女王をドキドキさせました。結局G1は勝てませんでしたが、種付け料1万6500豪ドル(約155万円)は低い評価ではないでしょう。ミスタープロスペクター系ストリートクライの血統で、ダンチヒーデインヒルはもちろん、ノーザンダンサー系の血を一滴も持たないアウトクロス向けの種牡馬ですから、デインヒル王国のオーストラリアではそれなりに需要があるでしょうね。期待しましょう。

●プレゼントと言えば、ファハド殿下などカタールレーシングを形成する王族たちが、チャールズ皇太子とカラミ夫人にブラックスワンという2歳の牝馬を贈ったそうです。父がザルカヴァを世に送ったザミンダール、ストームキャット産駒の母は凱旋門賞馬ソレミアの姉となかなかの血統です。カラミ夫人は女王とも競馬を共通の趣味としていらっしゃるようですが、皇太子はロイヤルアスコットにはお出かけになるものの、馬との付き合いではポロに熱心で競走馬をお持ちになったことはないようです。将来のイギリス国王に競馬への関心を深めていただくのは、ホースマンすべてにとって嬉しいニュースですね。競馬の未来を築き上げていく上では、かなり効果的なキャンペーンだと思います。日本でも天皇ご一家に競走馬を献上するなんて無理なんでしょうか。

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