きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

真打ちライバル

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10連勝中のソロウとこれも6連勝中のテピン、マイル戦線で破竹の快進撃を続けるヨーロッパ王者とアメリカ女王の直接対決が、来月に迫ったロイヤルアスコットG1クイーンアンSで実現するかもしれないというお話をしました。しかしこれですべての決着が付くわけではなく、ご承知のようにアジア王者モーリスも7連勝中と確かな存在感を主張しています。春のドバイターフでソロウとの対決を楽しみにしていたのですが、結局両馬とも出走回避して、日本のリアルスティールが世界デビューを果たしたのは良かったような頂上決戦が流れて残念なような。この先、モーリスがマイルの絶対王者を目指すのか?それとも勝ち続けるのが仕事であるせん馬のソロウと違って将来の種牡馬価値を高めるために距離を延ばして2000m路線に進出するのか?どちらにせよ楽しみは膨らむばかりです。

欧米亜の無敗同士でチャンピオンの座が争われる三極構造というのは早とちり?世界は広いもので、実は南半球オーストラリアにも強い馬がいます。ウインクスという牝馬で目下7連勝中、マイルを主戦場に2040mのG1コックスプレートも勝っています。春のクイーンエリザベスSと並ぶ秋の2000m級最高峰レースとして定着してる格の高い一番です。この馬がマイルを含む中距離界の世界No. 1ホースと高い評価をする人も少なくありません。モーリスが距離を延ばしていくとしたら、この馬が真のライバルかもしれません。短期免許で来日中の腕利きヒュー・ボウマン騎手が主戦ジョッキーを勤めています。トミー・ベリー騎手にも騎乗経験があります。モーリスの事実上の主戦であるライアン・ムーア騎手もコックスプレートでオブライエン厩舎のハイランドリールでウインクスの強さを実感している一人です。機会があれば、世界を渡り歩く彼らにライバル同士の比較を聞いてみたいものです。

さて今週末の英G1ロッキンジSですが、世界4強への挑戦者決定戦西手は、いささか小粒なメンバーになりそうです。リマトは負け知らずの5連勝で階段を上ってきた馬ですが、G1を戦うようになってからは2着止まり。元々がスプリンターですし、ちょっと格不足かもしれません。昨秋のマイルチャンピオン頂上戦G1クイーンエリザベス2世Sでソロウに食い下がったベラードは真価を問われる一戦です。2歳G1デューハーストS勝ちの素質が本物か注目されます。牝馬のアメージングマリア、昨年の2、3着馬トゥールモアやエーロッドも顔ぶれ的に差はないのでしょうが、果たして4強に挑戦状を叩き付けるほどのパフォーマンスが見せられるのでしょうか?お楽しみはロイヤルアスコットへ持ち越しということになるのかも?

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