きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

女王雪辱の舞い

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日曜東京競馬場で行われたNHKマイルカップは、1番人気のメジャーエンブレムが優勝。桜花賞の雪辱を果たした結果となりました。
メジャーエンブレムはスタートから先手を奪って道中を引っ張ると600m通過34秒3、1000m通過57秒7のペースを刻み、最後の直線では馬なりでギリギリまで持ったまま。ムチが入るシゲルノコギリザメやシュウジ、アーバンキッドらを突き放し、大外から強襲するロードクエストを3/4馬身振りきっての勝利でした。

女王一強。大激戦の牡馬クラシック戦線とは対照的に今年の3歳牝馬クラシック戦線はメジャーエンブレムの走りにただただ注目が集まる形でスタートしました。
しかし桜花賞では単勝1.5倍の支持を集めての4着。先手を譲り中団に控えるレースで、最強牝馬の走りをついぞ見せれることなくクラシック一冠の桜花賞を終えました。一強から一転。地位がゆらぎはじめた女王の次の決断はオークスではなくNHKマイルカップでした。実績では出走各馬よりは上とて、だからこそ負ければ失うものも大きいわけですからリスクある出走でもありました。メジャーエンブレムの出走によってNHKマイルカップに新たな緊張感が加わることとなりました。

レース後、ルメール騎手からはガッツポーズに「桜花賞で負けました。失礼しました。今日はリベンジだったね」と安堵の笑みがこぼれました。メジャーエンブレムはマイルG1・2勝目。リスクを自らの型によってはねのけたことで強さが増したようにも思います。同じく後方からの直線一気で自らのレースに徹したロードクエストもメジャーエンブレムにわずか及ばずでしたが、新潟2歳ステークスで魅せた才能を再び描きはじめてくれました。
メジャーエンブレムにロードクエストは次走はどの路線へと向かうのでしょうか? ひと足先に古馬マイル戦線へと立ち向かうのか、クラシックの冠獲りに戻り同世代がしのぎを削るのか、いずれにしろ次なる可能性が楽しみになってきました。

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