きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

フランケル元年


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本場イギリスの国民的行事とも言える大人気名物レースである障害のグランドナショナルは39頭が出走し、完走したのが半分以下の16頭と今年も相変わらずタフで厳しいレースになりました。今週は中山名物のグランドジャンプが行われますが、その中からこの最高峰レースに挑戦するようなヒーローが現れるんでしょうか?平地の頂点レース凱旋門賞を勝つより難しい気がしますが、夢に向かって大きくジャンプしてほしいものです。

そのグランドナショナルが終わると、いよいよ本格的な平地シーズンの訪れです。今シーズンの目玉は、何と言っても稀代の怪物フランケルの2世たちがターフに姿を現わすことに尽きるでしょうね。イギリスでは早々と今季の新種牡馬チャンピオンを予想する賭けがブックメーカーの手でスタートしていて、フランケルが最低倍率の3倍に支持されているようです。2位が4倍のオッズのエクセレブレーション。フランケルの同期の桜で、宿敵には5戦全敗でしたが、フランケルがいなければ無敵でデビュー戦と引退レースを除けばパーフェクト、ジャックルマロワ賞などマイルのG1を3勝しています。宿命のライバル同士の激闘第2章が幕を切って落とします。

さて、フランケルの初年度産駒は133頭に種付けして126頭が誕生しています。受胎後に流産した可哀想な仔も6頭いて、不受胎はわずか1頭のみ、受胎率そのものは99%を超える奇跡的なアベレージを示しています。驚異の生命力です。母馬の多くがG1馬であったり、その母親であったり、そもそも健康優良児であったことも大きいいのでしょうが、この並外れた健康さ、生命力の逞しさには目をみはるばかりです。フランケルの時代が直ぐそこまでやって来ている印象です。今年の世界競馬はフランケル元年と後世の史家は総括するんでしょうか。日本でも10頭まで行くかは微妙ですが、かなりの数のフランケル2世がデビューするようです。入厩先も藤沢和雄、角居勝彦、藤原英昭、池江泰寿など当代一流の調教師たちが手腕を競うことになりそうです。『フランケル劇場』を世界同時公開、日本でも間近に見られる幸せに心が躍ります。

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