きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

電光石火のスプリントG I

ようこそいらっしゃいませ。

中山競馬場正門前のソメイヨシノが開花し始め、春競馬を彩ります。
今週は中京競馬場で春のスプリント王決定戦の高松宮記念が行われます。圧倒的な強さでスプリント〜マイル路線の王座を不動のものにしていた王者ロードカナロアの引退後、日本スプリント界は絶対王者の空位が続き、昨年の高松宮記念では香港からの遠征馬エアロヴェロシティが優勝するなど、国内外の有力馬による群雄割拠時代に突入しています。

高松宮記念創設の由来は、1971年に高松宮殿下から優勝杯を賜ったのをきっかけに1967年から施行されていた「中京大賞典」から「高松宮杯」に改称されました。当時は中京の芝2000mで行われ、夏の中京競馬場を盛り上げる中距離の名物競走として親しまれていました。1996年に短距離競走の改善にともない、5月に開催が繰り上げられ、距離も1200mに短縮されました。こうして中京競馬場初のG I 競走が誕生したのです。
さらに1998年には現在の「高松宮記念」に改称され、春のスプリンターたちの目指すビッグレースとして定着しました。

今回注目なのは3歳時にNHKマイルカップを制し、マイル路線で活躍したミッキーアイル。前走の阪急杯では久々に逃げる競馬で2014年のスワンステークス以来の勝ち星をあげました。昨年の高松宮記念では3着、スプリンターズステークスでは4着とマイル路線だけでなくスプリント路線でも適正を示していますから、同馬の活躍に期待しましょう。

他にも昨年のスプリンターズステークス王者スノードラゴンや2013年のサマースプリントチャンピオンのハクサンムーン、先日のオーシャンステークスで2着に1馬身半の差をつけ快勝したエイシンブルズアイら生粋のスプリンター達が名を連ねます。

施行される中京の芝1200mですが、直線は約400mと十分な距離がありながら残り340m付近から急な上り坂を約100mゴールまで駆け上がっていくことになります。スピードだけでなく、ゴールまで押し切る馬力が必要なうえ、一瞬の判断が問われるスプリントレースでは、騎手と競走馬が人馬一体となってどれだけレースを展開できるかが勝負のカギとなりそうです。

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