きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先週日曜のロンシャン競馬場は、凱旋門賞と同コース同距離での前哨戦3連発。いよいよ本番を迎えることになります。

●まず古馬のフォア賞はルーラーオブザワールドが英ダービー以来の美酒を味わっています。でもレース内容は昨年キズナが勝った3歳同士の二エル賞のまるで再現フィルム。ルーラーが2着で4着にフリントシャー、5着入線も降着になったスピリットジムがおよそ3馬身の間で争いました。今年はこの3頭のワン、ツー、スリーでしたが、やはり3馬身圏内の争いでした。ちょっと成長がないというか、本番で勝ち負けになる気がしないです。

●3歳の二エル賞は上がり馬エクトーが早めの抜け出しから粘り切りました。ここまでマイルを中心に使われ、セントジャームズパレスSの半兄モストインプルーヴという血統背景からも距離不安を指摘されていましたが、末脚は衰えませんでした。父がモンジュー系ハリケーンランで凱旋門賞を父子制覇している長距離一族です。母父リナミックスもサガミックスを出して凱旋門賞馬の父となっています。これで6連勝、切れ味勝負に弱点もありそうですが勢いに注目でしょうか。

●女帝トレヴの復活なるか!この日の最大の焦点はここにありました。名手デットーリを降ろして無敗コンビのジャルネを呼び戻し鞍上チェンジ。背水の陣で臨みます。しかし最後方から鋭い脚で伸びたものの4着止まり。信じられない惨敗でした。勝ったバルチックバロネスは昨年の仏オークスでトレヴの10着に敗れていた馬です。その後も良いところがありませんでした。祖母ボルジアは独ダービーを勝ち凱旋門賞でも3着しているドイツの男勝りですが、女傑血統のお目覚めということでしょうか。こうした混迷を受けて、仏二冠馬アヴェニールセルタン、英オークス&キングジョージのタグルーダ、そして日本のハープスターなど斤量面の恩典がある3歳牝馬の評判が上がっているようです。

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