きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイ決戦間近

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11週間連続の前哨戦シリーズが先週のスパーサタデーで幕を下ろしました。ヤキモキさせられた招待状もあらかた届き、いよいよ2週間余りでドバイワールドCデー決戦の日を迎えるばかりです。目の玉が飛び出る総額1000万ドル≒11億円余り、優勝すれば600万ドル≒6億7000万円余りと破格の高額賞金を誇るワールドCは、ホッコータルマエが日の丸を背負います。彼の実力のほどはご承知の通りなのですが、昨年からAWがダートに戻され今年はアメリカ勢が本気でトップクラスを送り込んできました。

総大将格カルフォニアクロームは昨年の2着馬で、今年はさらに順調さを絵に描いたような臨戦過程です。三冠馬アメリカンファラオのライバルとして存在感を示したドルトムントは一回り成長したような印象もあります。これぞアメリカンといった猛烈な一本調子タイプですが、マイペースで行ければ底知れない強さです。ファラオ打倒の金星が光るキーンアイスはライアン・ムーアが鞍上とか。追わせたら天下一品のムーアならバテない末脚が生きるシーンがあるかも。この他にもアメリカでG1ドンHを勝って来たムシャウィッシュは、トレヴと同じカタールのアルシャカブレーシングの馬で、今度の鞍上はエースジョッキーのデットーリですね。昨年のUAEダービー圧勝のムブタヒージはスミヨンが乗るようです。世界のトップ中のトップが覇を競うのもドバイの楽しみの一つです。

最後に嬉しい話題を。ドバイターフにエントリーされているフラムボヤントという馬は、父がフランスに輸出された日本のペールギュントです。フランスからアメリカに渡り、5歳になった今年から急激に力をつけてG2を2連勝、晴れ舞台に駒を進めてきました。ペールギュントはご存じのようにディープインパクト世代のサンデーサイレンス産駒で、日本ではライバルが強烈で居場所がなかったのですが、ここで会えるとは思いませんでした。『朋あり遠方より来る、また楽しからずや』の気分です。競馬をやっていて本当に良かったと思える瞬間ですね。

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