きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

復権へつながる原点回帰

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先週は中山記念のほか、阪神競馬場で高松宮記念前哨戦の阪急杯、3歳重賞のアーリントンカップの重賞レースが行われました。
阪急杯にはフルゲート18頭が出走。1番人気はミッキーアイルで3.8倍、2番人気がレッツゴードンキで4.7倍、3番人気はミッキーラブソングで5.2倍、以下オメガヴェンデッタが6.8倍、ブラヴィッシモが9.1倍、ヒルノデイバローが12.5倍とつづいてのレースとなりました。

勝ったのは1番人気のミッキーアイルでした。スタートから先手を奪い逃走。同じ脚色のレッツゴードンキがその後ろ2番手につける中、ミッキーアイルは道中600mを33秒8で通過し直線に入っても余裕のある手応えで後続を振り切っての優勝でした。ミッキーアイルは2014年のスワンステークス以来となる1年4ヵ月ぶりの勝利となりました。

ミッキーアイルといえばなんといっても衝撃だったのが2歳未勝利戦でした。デビュー2戦目の京都マイルに登場したミッキーアイルは、猛然と逃げて2着に5馬身差をつけての初勝利。なんとこのときのタイムが1分32秒3で、2歳芝マイルの日本レコードを打ち破る破格のタイムでした。次走は、朝日杯フューチュリティステークスを除外となってその前日の中山マイルひいらぎ賞に出走。結果朝日杯フューチュリティステークスの勝ちタイムを上回るタイムで2勝目をあげ、翌年のさらなる快進撃へとつなげていったのでした。

2014年のマイルチャンピオンシップ以降、先手を譲り2番手、あるいは好位に控えるレースが目立ったミッキーアイルでしたが、やはり先手を奪って自己主張する姿こそがミッキーアイルだと改めて阪急杯を見て感じさせられました。久々の勝利となった今回の阪急杯は、原点回帰を祝福するかのように勝ちタイムの1分19秒9のレースレコード。あの快進撃をつづけた当時のミッキーアイルが再び蘇ってきました。
ダンスディレクター、ローレルベローチェ、ビッグアーサー、サトノルパンなどのシルクロードステークス組を筆頭に、国内の短距離路線は新時代誕生前夜の混戦模様で、春の高松宮記念には昨年香港から来日し春の短距離王を奪っていったエアロヴェロシティの来日も予定しています。そんな中、こうして王者が本来の姿を取り戻したことは喜ばしい限り。大舞台で再びスピードで圧倒する走りを見せてください。

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