きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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凱旋門賞が終わるとヨーロッパ競馬は事実上のフィナーレ、ブリティシュチャンピオンズシリーズで盛り上がります。10ハロンのチャンピオンSを頂点にマイルのクイーンエリザベス2世Sなど世界的にも高名な伝統のレースが、アスコットとニューマーケットを舞台に繰り広げられます。今年のチャンピオンSは面白いメンバーが揃いました。せん馬ゆえ凱旋門賞に出走資格のない古豪シリュスデゼーグルは、今年もロンシャンにやって来て、恒例のようにG2ドラール賞で鬱憤ばらし、先頭でゴールして4年間で3勝目の快挙かと思ったら、何と降着の憂き目に。でも休み明けにもかかわらず衰えのない実力は証明しました。同じくフランス勢のザグレイギャッツビーも好調です。愛チャンピオンSではここも本命になるオーストラリアを破っています。10ハロンは4戦3勝2着1回と絶対の自信を持ち、今シーズンの有終の美を飾る算段です。

英愛ダービー、エクリプスSとG1勝ちを重ねてきたオーストラリアは、今や競馬の母国のエース的存在ですが、彼以上かもと囁かれる超新星が羽ばたこうとしています。フリーイーグルというハイシャパラル産駒がその馬で、欧州ホースマンの顔色を失わせたオーストラリアの英雄ソーユーシンク以来の大物です。デビュー2走目のG3を1番人気でオーストラリアの2着に敗れましたが、1年の休養を経て逞しい成長を遂げました。復帰戦は愛チャンピオンS2日前の同コース同距離、似たような馬場状態で行われたG3エンタープライズSでしたが、2着以下を7馬身ちぎりました。しかもチャンピオンSのザグレイギャッツビーより速いタイムで駆けたのですから本物です。フランケルの全弟ノーブルミッションも顔を見せるようで、アスコットは賑やかなフェスティバル気分に包まれそうです。残念なのは凱旋門賞8着だったジャスタウェイ、馬主さんの思いや意向もあるんでしょうが、適距離10ハロンのここで見たかったというのが本音です。

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