きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週から舞台は東京、京都へと移して秋競馬はG1シリーズへと向かっていきます。今週は、土・日・月(祝)の3日開催です。日曜に東京で毎日王冠、月曜に京都で京都大賞典が組まれています。

毎日王冠といえば、1998年のレースを想い出します。

デビューから期待されていたサイレンススズカが年が明けて古馬になり本格化。バレンタインステークス、中山記念、小倉大賞典と逃げ切り、金鯱賞では菊花賞馬マチカネフクキタルや京都記念を勝ったミッドナイトベットを相手に大差のぶっちぎりで勝つと、宝塚記念でも逃げて逃げてステイゴールド、エアグルーヴの追撃を抑えてその年無敗のままG1タイトルを手にします。休養を挟んだ秋初戦が毎日王冠でした。

この日の毎日王冠には、4歳(現3歳)の無敗馬2頭も秋初戦で出走してきました。エルコンドルパサー、グラスワンダーの2頭です。グラスワンダーは朝日杯をレコードで圧勝も春シーズンは骨折で全休。グラスワンダー不在のNHKマイルカップを無敗で圧勝したのが同世代のマル外馬エルコンドルパサーでした。このエルコンドルパサーも毎日王冠にエントリーしてきました。

9頭立てのレースでしたが、無敗の3歳馬2頭とサイレンススズカの激突に当時東京競馬場には13万人の観衆が詰めかけました。ファンファーレが鳴りゲートが開くまでの間、馬券をはなれて想像がつかない結末に酔いしれ、このままレース結果を見るのをとっておきたい、夢のまま握っていたい、そんな気持ちでいっぱいだったことを覚えています。この日はレース後の余韻にひたる間もなく、京都のメインでは天皇賞馬メジロブライトと4歳馬(現3歳)セイウンスカイの激突に前年の有馬記念覇者シルクジャスティス、ステイゴールドが加わっての京都大賞典がスタートを切られましたから、なんとまぁ贅沢な1日だったことでしょう。

この日を想い出すと競馬場での熱気がファンの記憶に長く刻まれるものだと改めて思います。1998年のこの日を超えるレースをぜひつくりあげてください。

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