きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイの風

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先週はメイダン競馬場でトライアル第1弾のG2マクトゥームチャレンジラウンド1が行われ、いよいよ2016年の上半期最大のドバイワールドCカーニバルが華やかに幕を開けました。今週末にはドバイワールドCデー各レースの事前登録が締め切られます。日本からはモーリス、ドゥラメンテ、ホッコータルマエなどのトップホースが参戦意思を表明しており、世界の強豪相手に興味深い大一番を戦います。

注目はモーリスでしょうか。昨年暮れの香港マイルで地元の怪物エイブルフレンドを撃破して日本の年度代表馬に輝いたのですが、メイダンではドバイターフ1800mでフランスの白いモンスター・ソロウと世界最強マイラーの座を賭けて雌雄を決します。このモンスターの強さは底が知れません。目下9連勝中でG1に限っても5戦5勝と無敵の快進撃を続けています。とにかく馬自身が競馬というものを知り尽くしていて、どうすれば勝てるのかを知り抜いているように見える賢さがあります。疾走する芦毛の白い強靭なエンジンに人間の頭脳を積んでいるような馬です。切れ味勝負に持ち込めればモーリスに分があるような気もしますが、なにしろ白いモンスターは悪魔のように知略に長けています。
エイブルフレンド以上の難敵であるのは確実でしょうが、このドバイターフでレーティング世界一の勲章をもぎ取ったジャスタウェイに続く快走を期待したいものです。

ドゥラメンテは2410mのシーマクラシックに挑戦するのでしょうか。この分野には経験豊富なスペシャリストも少なからずいて、なかなか層の厚いカテゴリーです。勝つのは簡単ではありませんが、日本ダービー馬の誇りにかけて良いレースをしてくれるでしょう。世界最高賞金のドバイワールドCはホッコータルマエの出番です。昨年から従来のAW施行がダートに戻されて、アメリカの強豪も意欲を見せるようになっています。世界の壁はますます厚く高くなりました。前述のマクトゥームチャレンジラウンド1を勝ったのはモハメド殿下のルバーナーディンという馬でしたが、父がA.P.インディ系のバーナーディニで母系もアメリカ血統の塊のような馬です。ダートの本番を意識した血統構成ですね。迎える側もそれなりの覚悟と対策にぬかりはありません。例年にも増して熱い戦いが繰り広げられそうなドバイワールドCカーニバルが楽しみでなりません。

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