きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ヒーローたちの明日

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先週もお伝えしたように、今年のアメリカ競馬は37年ぶりに誕生した三冠馬アメリカンファラオが話題を独り占めにしました。来季はクールモアのアシュフォードスタッドで20万ドル≒2400万円と破格な種付け料で種牡馬生活をスタートさせます。一方、ヨーロッパのヒーローの座を占めたのは英ダービーと凱旋門賞の二冠に輝いたゴールデンホルンでした。マイラー・ケープクロスの仔で距離不安からダービー登録がなく、急遽1700万円もの追加登録料を支払っての参戦だったのは記憶に新しいところです。

ケープクロスは日本のタイキシャトルが完勝したジャックルマロワ賞で3着がやっとだった馬です。マイラーとしては一流半といったところでしょうか。その馬がシーザスターズと合わせて2頭のダービー&凱旋門賞馬の父となり、母父として日本ダービー馬のロジユニヴァースを出すのですから血統は摩訶不思議なものです。日本のファンにはちょっと信じられない思いがあります。ゴールデンホルンの勝利のかなりの部分で神ジョッキー・デットーリ騎手の貢献があったのは確かでしょうが、ちなみに父ケープクロスの主戦も同騎手でした。競馬とは繋いでいくスポーツなのだとつくずく実感させられます。

ファラオ同様にホルンも来季から種牡馬入りが決まっています。ダーレーのダルハムホールスタッドで種付け料6万ポンド≒1100万円とこれも破格の評価ですね。この両雄はともに、いわゆる非サンデーサイレンス系の血統構成ですから、産駒が輸入されたり、SS系の母馬が海を渡る機会も結構ありそうです。初年度産駒がクラシックシーズンを迎えるのは、東京オリンピックが開催される2020年春ということになります。アメリカで、ヨーロッパで、そして日本で大きな盛り上がりが楽しみでなりません。

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