きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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オルフェーヴルが世紀の大逸走をやらかしたかと思えば、凱旋門賞でチャンピオンディスタンスの世界最強馬、と誰をも納得させる走りで欧米ホースマンの肝を冷やし、最後はジェンティルドンナとの壮絶なデッドヒート、ゴールドシップの有馬記念での異次元の末脚を含めて、いろいろ楽しませてくれた2012年の競馬でした。

さて、年が明ければ中山、京都で開幕レース・金杯です。昨年は新星エンパイアメーカー産駒フェデラリストが快走、この新種牡馬に大きな注目が集まりました。エンパイアメーカーは祖国アメリカに残してきた産駒が大活躍、最後の最後まで種牡馬界の巨人ジャイアンツコーズウェイと熾烈なリーディングサイヤー争いを演じて見せました。少ない産駒数での僅差2位は立派な上にも立派です。

その意味で今年の中山金杯ではアドマイヤタイシに注目です。父シングスピールは父方祖父にサドラーズウェルズ。世界中で大活躍している系統ですね。とくにヨーロッパではこの血を抜きに競馬が成立しないほどです。

ところが日本だけは成功したのはオペラハウスの2頭、7冠馬テイエムオペラオー、4冠馬メイショウサムソンくらい。世界競馬の七不思議のひとつといえそうです。いずれ日本産サラブレッドの父系血統表から偉大なサドラーズウェルズの名前が消えてしまうのか?

昨年の朝日杯フューチュリティS、ロゴタイプの大金星でした。父がローエングリン、その父がシングスピールという血統です。ずいぶん久しぶりのサドラーズウェルズ系のG1勝利でした。シングスピールはヴィクトワールピサの半兄にあたるアサクサデンエンがG1安田記念を勝っています。重厚でパワフルなサドラーズウェルズ血脈も代を重ねるに連れ日本競馬への適性が増しているのでしょうか。

サドラーズウェルズは一昨年亡くなっていますが、さて2013年、遅まきながらサドラーズウェルズ劇場の幕が開くのか?追いかけ続けたいテーマだと思っています。

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