きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

共存共栄の道

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師走の風物詩・香港国際競走が開幕しました。初日は恒例のインターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ。世界各国から一流騎手が顔を揃えて戦略脳と技術の粋を競います。とくにシーズンオフのヨーロッパからは、まるでロンシャンやアスコットのジョッキールームが引っ越してきたように凄い連中が海を越えてやって来ます。歴代優勝者にはペリエ、デットーリ、ムーア、スミヨンなど世界屈指の腕利きが居並びます。溜息が出るようです。地元香港のダグラス・ホワイト騎手が3回もチャンピオンに輝いているのはさすがです。

日本からは04年の武豊騎手と昨年の福永祐一騎手が優勝しており存在感を示しました。09年はフランス時代のルメール騎手も表彰台のテッペンに登っています。今年は戸崎圭太騎手がエントリーされ、ライアン・ムーア騎手と壮絶な叩き合いの末に1着同着と名勝負を披露した一戦を含めて総合3位に健闘してくれました。世界の名手たちと互角に渡り合った自信は戸崎騎手を一回り大きくさせるかもしれません。本番の香港スプリントでは昨年3着をジャンピングボードに密かに逆転年度代表馬を狙うストレイトガール、コース2度目(今春のG1クイーンエリザベス2世S2着)でG1初制覇に燃える香港カップのステファノスに騎乗します。実力的には差のない両馬ですから戸崎騎手には腕の見せどころとも言えそうです。頑張ってください。

香港国際競走は順調なら来年から日本国内でも馬券発売されます。短期免許による来日でおなじみのジョッキーが揃いますから、馬券推理の手がかりになりそうです。意外と人気を呼びそうな気もします。でも競馬の主役は馬ですから、世界を圧倒するような強い馬が日本から出走してくれるのが一番のプロモーションでしょうね。でもジャパンCから2週、有馬記念まで2週、全部を使うことは現実的じゃありません。日本の競馬と世界の競馬が共存共栄の道を歩いていくためには、日本と世界のレーシングカレンダーを見直してもらう必要がありそうです。

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