きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

チャンピオンディスタンス

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いよいよ今日、今年のジャパンCの出走馬・枠順が発表されます。天皇賞秋2000mは枠順が勝敗の明暗に微妙な翳を落とすことも多いのですが、府中の2400mで行われるこのレースは一流馬が実力の限りを尽くすにふさわしい内外関係ないフェアなコース設計が施されています。まぁ、フルゲートだと18頭が一団となって厳しいコース取りを競うわけですから、何事もなく終わるのは相当に難しいのですが。フェアで気持ちの良いレースを祈りたいと思います。

突然で申し訳ないのですが、話は来月13日の香港に飛びます。日本からの招待受諾馬が発表され、合計10頭が海を渡ることになりました。優勝賞金2億2000万円余りと最高額を誇る香港C2000mにはエイシンヒカリ、サトノアラジン、ステファノス、ヌーヴォレコルトの4頭。同2億円余りの香港マイル1600mにはダノンプラチナ、フィエロ、モーリスの3頭。同1億6000万円余りの香港スプリントにはサクラゴスペル、ストレイトガール、ミッキーアイルの3頭という素晴らしい陣容です。凱旋門賞2年連続2着のフリントシャーが出走する同1億4000万円余りの香港ヴァーズ2400mには招待馬がいませんでした。トップクラスの一流馬がジャパンC、有馬記念と2400m級を目指す関係から手薄になるのは仕方がないかもしれません。

2000mのレースの賞金が一番高額で2400mがもっとも安いのは、ひとつには香港の独自な価値観というよりは世界の潮流の行く先を現しているような気もします。今年ヨーロッパのチャンピオンに推挙されたゴールデンホルンは、英ダービー、凱旋門賞の2400mでの勝利を賞賛されてのものですが、それと同等に評価されたのが2000mのエクリプスS、愛チャンピオンSでした。同じようにダービーと凱旋門賞を勝ったシーザスターズが年度代表馬に選ばれた際に高評価されたのが愛チャンピオンSでの圧勝ぶりだったのが記憶に残っています。逆に最高峰両レースを勝ちながら選に漏れたのが、種牡馬として日本に来ているワークフォースです。彼は2000mのG1を遂に勝てなかったからです。いわゆるチャンピオンディスタンスの在り方が微妙に変化してきているのが最近の趨勢です。
府中の2000mのコースレイアウトを考え直すべき時期かもしれません。事あるごとにトリッキーと言われる中山コースですが、ご存じのように2000mに関してはかなりフェアな設計になっています。中山での2000m古馬G1新設を考えるべきなのかもしれません。

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