きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

受け継がれていく最強世代の血

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月曜祝日に東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳ステークスは、4番人気のスマートオーディンが優勝、初の重賞タイトルを手にした結果になりました。2着には2番人気のプロディガルサンが入り、1番人気のロスカボスは8着の結果でした。

それにしてもスマートオーディンが最後の直線で魅せた末脚には驚かされました。デビュー戦ではディープインパクト産駒のレヴィンインパクトを決めて勝負で2馬身半差をつけて初戦を飾ると、2戦目の萩ステークスでも直線でムチが入り内側にササってしまったところから鋭く伸びてきてその才能の片鱗をみせていました。今回のレースで繰り出した末脚が上がり32秒9。後方2番手追走から直線で先行馬をまとめて差し切り、最後はプロディガルサンに1馬身差をつけての完勝でした。

スマートオーディンは父ダノンシャンティ、母父アルザオの血統になります。今回のスマートオーディンが後方から直線で披露した末脚をみて、ダノンシャンティの現役時代を思い出しました。当時の3歳世代はハイレベルな群雄割拠時代で皐月賞ではヴィクトワールピサにローズキングダム、ヒルノダムールにエイシンフラッシュ、エイシンアポロン、アリゼオらが激突。まず一冠目はヴィクトワールピサに凱歌が上がる中、ダノンシャンティは毎日杯を経由してNHKマイルカップからダービーへと向かいます。そのNHKマイルカップでダノンシャンティが魅せたレースは強烈でした。直線だけで15頭ごぼう抜き。1分31秒4の驚愕レコードで、ダービーだけでなくもしケガなく現役時代を走っていたならもっと多くのG1に名を刻んだであろう馬でした。

スマートオーディンはそのダノンシャンティを彷彿させる走りを披露してくれました。父が果たせなかったダービーの舞台へ向けて、またひとつ物語が動きはじめた感じがします。

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