きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

唯一手にしていないG1へ向けて

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先週土曜京都競馬場ではデイリー杯2歳ステークスが行われました。勝ったのは武豊騎手鞍上の2番人気のエアスピネルでした。道中は中団を追走。直線に入り抜け出しを図ったシュウジに並びかけ、そのまま叩き合いに持ち込むことすらなく3馬身半突き放しての圧勝でした。1番人気に支持され2着に入ったシュウジは、デビュー戦に中京2歳ステークス、小倉2歳ステークスと3連勝している馬で、そのシュウジを3馬身半引き離しての勝利ですから、エアスピネルの強さが際立ったレースだったといえるでしょう。

エアスピネルは父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンス、母はエアメサイアになります。母のエアメサイアは2005年の3歳牝馬クラシックすべてに出走。桜花賞4着、オークス2着し、秋の秋華賞を見事優勝で飾った馬でした。同世代には日米オークス制覇のシーザリオに、桜花賞・NHKマイルカップと制覇したラインクラフト、あるいは古馬となって牝馬重賞3勝をあげるデアリングハートと話題多き実力馬が揃い、エアメサイアもまた牝馬クラシック無冠におわった母エアデジャヴーの想いを果たしたい存在として注目を集めた1頭でした。そのエアメサイアは秋華賞で念願のクラシックを制覇。古馬となりヴィクトリアマイル2着後繁殖入りして、その血は仔へと受け継いでいきます。エアデジャヴーの系統に牝馬クラシックのタイトルを刻んだのが武豊騎手でした。

母エアメサイアのデビューから引退まで跨った武豊騎手に、今度はその仔エアスピネルがめぐってきました。武豊騎手は数多くのG1を手にしていますが、JRA平地G1で唯一手にしていないタイトルが朝日杯フューチュリティステークスです。完全制覇まであと一歩。エアデジャヴーの想いをエアメサイア優勝へと導き果たした武豊騎手は、今度はその仔によって念願達成へと導かれていくのでしょうか。

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