きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

池添謙一騎手がフランスへ遠征するようです。4月上旬から6月上旬までの約2ヶ月間のロンシャン開催に参戦、凱旋門賞に向けてコース経験を積むのだそうです。ちょっと驚きました。

池添騎手といえば、すでに800勝以上を記録しG1を19勝、押しも押されぬ日本のトップジョッキーの一人です。古くは野平祐二騎手、最近と言っても20年以上も前ですが、2001年に武豊騎手がほぼフルシーズン遠征しています。

武騎手はその前年まで9年連続、翌02年から7年連続、リーディングジョッキーの座を独占していました。もし遠征しないで日本で騎乗を続ければ、絶頂期の彼は17年連続という空前絶後の金字塔を打ち立てていたはずです。ひたすら高みをめざす勇気ある挑戦でした。インペリアルビューティでG1アベイドロンシャン賞に勝つなど結果も残しているのですから立派でした。

池添騎手も日本のクラシックシーズン真っ只中の遠征、しかも向こうで騎乗馬が確保できる保証もありませんから、ずいぶんと勇気のいる決断だったと思います。凱旋門賞でオルフェーヴルの手綱を取り戻したい、その一念からのジャッジだったのでしょうが、ホースマンとしてそういう考え方もあって良いと思いました。

とは言え昨年の凱旋門賞でオルフェーヴルに騎乗したクリストフ・スミヨン騎手も5度目の仏リーディングに輝き、ヨーロッパの第一人者であることを証明しています。池添の執念か、スミヨンの経験か、これも今シーズンの楽しみの一つですね。

×